マツダ:通期純利益を600億円に上方修正-円安と新車投入効果で(7)

マツダは10日、2006年3月期通期の連結 業績予想を上方修正した。純利益は前期比31%増の600億円となる見通し。2 期連続で過去最高を見込んでいた従来予想(550億円)を50億円上積みした。 円安で輸出採算が改善するほか、コスト削減や、ミニバン「プレマシー」などの 新車投入で利益率の良い車種の構成比が高まることが寄与する。業績予想の修正 を受けて、マツダ株は午後の取引で急伸し、昨年来高値を付けた。

通期の営業利益は同42%増の1180億円を見込む。従来予想は15%増の950 億円だった。同社は中期経営計画「マツダモメンタム」で2007年3月期に営業 利益1000億円の目標を掲げており、これを1年前倒しで達成することになる。 江川恵司執行役員は記者会見で、目標達成の前倒しについて「従来予想からの変 更の半分強が為替の円安によるものだが、商品力やブランド力も浸透してきてい ることが表れている」と述べた。

円安による営業利益の押し上げ効果は174億円となり、従来予想(45億 円)から129億円上ぶれる。販売増加や新車投入による車種構成の改善では、従 来予想(204億円)を23億円上回る227億円が増益要因となる見通し。原材料 価格の高騰で200億円超が利益を圧迫するものの、販売増加などで吸収する。世 界全体では主力車種「マツダ3(日本名アクセラ)」やスポーツ車「ロードスタ ー」、欧州では「マツダ5(同プレマシー)」の販売が好調に推移。国内販売で は7年ぶりに全面改良したミニバン「MPV」(2月発売)が寄与する。

経常利益は従来予想(16%増の850億円)から37%増の1000億円に上方修 正した。売上高は7.2%増の2兆8900億円を見込む。従来予想は2兆8200億円 だった。今期の前提為替レートは、1ドル=113円(従来は109円)、1ユーロ =137円(同135円)に見直した。同社はドルとユーロに対する1円の為替変動 により、15億円営業利益が上下する。

ドイツ証券の持丸強志アナリストは「想定以上の上方修正幅で驚いた。円安 効果だけでなく、新車投入による販売増加で着実に収益性が回復しつつある」と 指摘。来春にはSUV(多目的スポーツ車)「CX-7」の投入なども控えてお り、「来期以降、さらに好業績が期待できるだろう」との見方を示している。

通期の販売計画は見直した。米国はライトトラック系車種の販売が低迷し、 26万8000台から26万4000台に下方修正した。国内も29万3000台から28万 6000台に下方修正。「全体需要が落ちており、マツダも影響を受けている」 (ダニエル・ティー・モリス取締役専務執行役員)という。欧州は29万台から 5000台減らし、28万5000台とした。一方、中国は12万5000台から13万台に 上方修正した。セダン「マツダ6(同アテンザ)」の売れ行きが好調という。

米国市場

ギデオン・ウォルサーズ専務執行役員兼CFO(最高財務責任者)は会見で、 10-12月期の米国でのインセンティブ(販売奨励金)について、1台当たり平 均1800ドルだったことを明らかにした。「2200ドルを少し切る状況だった」前 年同期を下回った。ライトトラックの販売は苦戦しているが、「インセンティブ を大きく増やさずやってきている」といい、2000ドル以下としている通期での 目標を達成する意向を示した。

ウォルサーズCFOはまた、米国での専売店比率が今期の目標である「40% をすでに達しており、この専売店がマツダの米国新車販売の58%を売ってい る」と話し、専売店の拡大が販売増加に寄与していることを強調した。3月末に は41%となる予定。07年3月期までに50%の達成を目指している。

10-12月は39%増益

10-12月期の連結純利益は前年同期比39%増の102億円だった。売上高は 同8.1%増の7415億円、営業利益は前年同期比69%増の349億円、経常利益は 同37%増の246億円だった。

4-12月の9カ月累計の業績は、純利益が前年同期比58%増の413億円と なった。売上高は同4.3%増の2兆934億円。営業利益は31%増の837億円、経 常利益は24%増の680億円だった。「マツダ3(日本名アクセラ)」や「マツ ダ5(同プレマシー)」の販売増、コスト削減、為替変動が寄与した。

マツダの株価は午後の取引で急伸し、一時前日比49円(9.1%)高の589円 をつけた。終値は42円(7.8%)高の582円。