訂正:東芝:半導体メモリー増産で追加投資、05年度は2890億円で最大

東芝は9日、主力の半導体事業でNAND型フ ラッシュメモリー(電気的に一括消却・再書き込み可能なメモリー)の増産を加速 するため、2005年度の設備投資計画を増額すると発表した。従来計画では2250億 円だったが約630億円上積みし約2890億円とする。単年度の半導体事業関連の投 資額としては、04年度(2030億円)に続き過去最大となる。

追加投資は主に、NAND型フラッシュメモリーの拠点である四日市工場(三 重県四日市市)の第3棟(直径300ミリメートルの大口径ウエハー対応)の生産ラ イン増強に充当する。携帯音楽プレーヤー用などに需要拡大が続くNAND型フラ ッシュメモリーの増産に対応するため、積極投資を加速させる。

05年度の設備投資計画は、期初段階で1510億円。05年10月末時点で2250 億円に増額することを決めていたが、今回の追加投資で2890億円へ引き上げる。 これにより、第3棟の生産能力は06年度下期で7万枚へ拡張される。従来は06年 度下期に月産4万8750枚とする計画だった。既存の第1棟と第2棟もフル稼働中 で、両棟合計の生産能力は月産10万7500枚(200ミリメートルウエハー換算)。

市場は3倍成長、供給不足続く

2006年のNAND型フラッシュメモリーの市場は前年比2-3倍に拡大する見 通し。米アップルコンピューターの「iPod」など携帯型音楽プレーヤーや携帯 電話、デジタル家電向けなどに需要増が続く。また、容量の拡大に伴い記録媒体と しての用途も広がっており、ハードディスク装置(HDD)からNAND型フラッ シュメモリーへのシフトも起き始めている。

強い需要に対し供給が追いつかず、足元の供給不足は深刻だ。笠貞純副社長は 1月末の第3四半期決算説明会で「05年末の充足率(製品供給率)は75%だっ た」と説明。年明け以降の状況についても「1-3月期も、充足率は90%程度で推 移するだろう」との見通しを示していた。

好調なNAND型フラッシュメモリーの業績がけん引し、05年度の半導体事業 全体の収益は、売上高が前期比11%増の1兆400億円、営業利益は同57%増の 1300億円となる見通し。

米サンディスクも5億ドル追加投資

同時に、提携先の米メモリーカード最大手のサンディスク・コーポレーション も四日市工場への追加投資を決定した。従来は2006年の四日市工場への投資額を 5億ドルにする計画だったが、さらに5億ドルを追加し通年で10億ドルを投資する と発表。サンディスクはNAND型フラッシュメモリーの生産を東芝に委託するた め、同工場へ共同出資している。

四日市工場は、容量が1ギガ(ギガは10億)と2ギガの製品を主に量産中。半 導体の製造技術は、300ミリラインで加工線幅が90ナノ(ナノは10億分の1)メ ートルを採用しているが、2月中に70ナノ対応へ移行し量産を開始する。06年度 下期には52ナノへ移行する予定だ。1枚のウエハーから取れる半導体の数を増やし、 小型化を可能にする微細化をいち早く進めることで、生産性向上とコストダウンを 進める。

東芝の西田厚聰社長は8日午後の会見で、半導体事業について「ますます投資 を加速させる必要がある」と強調、増産に意欲を示した。NAND型フラッシュメ モリーの市場では、世界シェアの約60%を握る韓国のサムスン電子が首位。東芝- 米サンディスク連合は約40%のシェアで2位につけている。東芝は、同市場での生 き残りと覇権争いを賭けて大型投資を継続、サムスンを追撃したい考え。

東芝の9日終値は前日比41円(5.7%)高の757円。追加投資の発表を受け て、一時、同45円(6.3%)高の761円まで上昇した。