三菱自:10-12月の営業損益は約3年ぶり黒字-純損失も大幅減(7)

三菱自動車が9日発表した2006年3月期の 第3四半期(05年10-12月)連結決算によると、営業損益が16億円の黒字と なり、前年同期の233億円の赤字から黒字に転換した。四半期ベースでの営業黒 字は03年1-3月期以来、約3年ぶり。

純損益は43億円の赤字となったが、赤字額は前年同期(494億円の赤字) の約10分の1に縮小した。リコール(無償回収・修理)隠し問題で落ち込んで いた国内販売で、2年5カ月ぶりの新型車となるSUV(多目的スポーツ車) 「アウトランダー」を投入したことや円安効果が寄与した。経常損益は2億円の 赤字(前年同期は335億円の赤字)だった。

売上高は前年同期比1.6%減の5383億円だった。国内や欧州、タイでの売 れ行きは好調だったものの、中国や台湾などの販売が低迷。北米も、ピックアッ プトラック「レイダー」を投入したが、ガソリン価格の高騰が響き、振るわなか った。

通期予想維持も「できる限り上積み図る」

06年3月期通期の連結業績見通しは従来予想を据え置いた。純損益は640 億円の赤字、売上高は2兆2200億円、営業損益は140億円の赤字、経常損益は 400億円の赤字をそれぞれ見込む。世界販売計画も据え置いた。市川秀常務は決 算会見で、「通期予想は十分射程圏内にとらえたとみることはできる」と述べ、 「再生初年度。計画を何としても達成したうえで、できる限り上積みを図れるよ う、全社一丸となって取り組みたい」と述べた。

ドイツ証券の持丸強志アナリストは、「前年があまりにも悪過ぎるため、業 績の改善幅は大きく見えやすい」と指摘。「ライバルと比べれば国内、北米を中 心とした販売状況はレベルが違い過ぎて、とても安心できる状態にはない。今回 の決算内容は“回復途上”として捉(とら)えるべきだ。様子を見守りたい」と 指摘した。持丸氏は三菱自の投資判断を「売り」としている。

1月24日発売した新型軽自動車「i(アイ)」の累計受注台数は、約2週 間の2月5日までに月間販売目標(5000台)の2倍に当たる1万台に達してお り、好調な滑り出し。第4四半期に寄与する見通しだ。タイで昨年8月に生産を 開始した新型ピックアップトラック「トライトン」を2月から欧州へ輸出。米国 イリノイ工場からはロシア、東欧、中近東向けにセダン「ギャラン」を輸出する。

同社は07年3月期には4年ぶりの最終黒字転換を目指している。連結純損 益は80億円の黒字を予想。08年3月期には410億円の黒字を見込む。

4-12月期

05年4-12月期(9カ月累計)の純損益は681億円の赤字(前年同期は 2282億円の赤字)だった。営業損益は182億円の赤字(同997億円の赤字)、経 常損益は338億円の赤字(同1441億円の赤字)となった。国内販売が底入れし たほか、円安効果も手伝った。社内計画と比べると、市川常務は、すべての利益 で「だいたい50億円強、上ぶれている」と述べた。

売上高は前期比5.5%減の1兆5296億円だった。国内は新型SUVのアウ トランダーで増収を確保したものの、欧州でのOEM(相手先ブランドによる生 産)供給台数の減少などが響いた。社内計画との比較では「3%ほど少ない」 (市川常務)。

世界販売台数は前年同期比3.6%増の98万5000台。国内は10月に投入し たアウトランダーが寄与し、同12%増の16万3000台となったが、北米は同

7.6%減の12万1000台にとどまった。ガソリン価格の高騰やフリート(企業向 け)販売の絞り込みが響いており、「復調には時間を要している」(市川常務)。 欧州は同14%増の19万5000台。アジアなどその他地域が同0.6%増の50万 6000台だった。

車種構成の見直しを継続

三菱自では新型SUVの「アウトランダー」や新型軽自動車「アイ」は好調 な一方、販売が低迷している既存車種も多い。市川常務は「収益的に余裕ができ れば車種の間引きを続け、残す車種に経営資源を集中させ、効率的な営業、経営 体制を築く」との意向を示した。

また、閉鎖を予定している岡崎工場(愛知県岡崎市)を存続させる可能性に ついては、「1つの可能性として検討対象だが、まだ最終判断に至っていない」 と述べるにとどめた。岡崎工場では、小型車「コルト」やミニバン「グランディ ス」を生産しており、現在の稼働率は「5割を切っている」という。

一方、アウトランダー、アイを生産する水島製作所(岡山県倉敷市)は好調。 市川常務は、同製作所の稼働状況について「パンパンの状態。4-5月もおそら く好調でフル生産が続くだろう。水島の負担をどこかで吸収し、軽減しなければ ならない。そのための手を打たなければならない」との考えを示した。

三菱自の株価終値は前日比5円(2.0%)安の247円。