米国株:朝方の騰勢続かず、医療ケア銘柄に売り-アップル大幅安(2)

米国株式相場は朝方の騰勢を維持できなか った。医療ケア関連銘柄に売りが出たほか、アップルコンピュータの下げが加 速した。

今年一番の薄商いのなか、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均 はいずれも前週末とほぼ変わらず。イランの核開発問題をめぐる緊張で、原油 価格が上昇するとの見方からエネルギー株に買いが入った。

グリーンウッド・キャピタル(サウスカロライナ州グリーンウッド)で 10億ドルの資産運用を監督するウォルター・トッド氏は、「相場が大きく上 向くのは、今年後半以降になるだろう」と語る。それまでに連邦準備制度が利 上げを打ち切る必要があると付け加えた。

ブッシュ大統領が議会に提出した予算教書で、メディケア(高齢者向け医 療保険)予算が減額されたことが嫌気され、ヒューマナなどの医療ケア関連株 が下落した。アップルはパソコン「マッキントッシュ」への需要が冷え込みつ つあるとの懸念から大きく下げた。

S&P500種終値は前週末比0.99ポイント(0.1%)上げて1265.02。ダ ウ平均は同4.65ドル(0.1%弱)高の10798.27ドル。ナスダック総合指数は 同3.78ポイント(0.2%)下げて2258.80で終了した。

先週の市場では、S&P500種は1.5%下落。賃金の伸びと生産性に関す る経済統計の発表で、インフレ抑制のための利上げが続くとの見方があらため て広がった。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高概算は15億3000万株弱に とどまり、今年一番の薄商い。騰落比率は3対2。

医療ケア銘柄

管理医療サービス大手のヒューマナが下落。ブッシュ大統領は議会に提出 した大統領教書で、2007年度(07年9月終了)の予算案として、メディケア (高齢者向け医療保険)などの福祉プログラム予算を5年間で650億ドル減額 するとした。ヒューマナはこの日、2007年までにメディケアの医薬品のみを 対象とした新しいサービスの加入者が190万人から220万人に達するとの見通 しを示していた。同社はまた、メディケア・アドバンテージ・プランの加入者 数が64万人にとどまったとし、自社見通しの65万-67万5000人に届かなか ったと明らかにし、これも株価を押し下げた。

ヒューマナ以外の医療ケア関連株では、処方薬給付管理サービス大手のケ アマークが売られ、S&P500種採用の医療株で構成する指数は0.9%下げた。

エメラルド・インベストメント・アドバイザーズ(ペンシルベニア州はリ スバーグ)で20億ドルの資産運用に携わる運用責任者、ケネス・マーツ氏は、 「医療ケアなど各種プログラム予算が削られている。関連銘柄に打撃が及ぶだ ろう」と述べた。

アップル大幅安

アップルは6.3%下げ、S&P500種採用銘柄の値下がりトップ。パイパ ー・ジェフリーのアナリスト、ジーン・ミュンスター氏は、インテル製CPU (中央演算処理装置)を搭載したアップルの新型マックについて、顧客がソフ トウエア開発業者のプログラム書き直しを待って、買いを控える可能性がある と指摘した。アップルの株価は1月13日以降、21%下げている。

一方、エネルギー株で構成する指数は1.5%上昇。国際原子力機関(IA EA)がイランの核開発問題を国連安全保障理事会(安保理)に付託する決議 を採択したことを受け、イランは4日、核兵器の開発につながる恐れのあるウ ラン濃縮を再開する方針を表明した。この日のニューヨーク・エネルギー先物 市場で原油相場は一時、前週末比1.3%高まで買い進まれた。ただ、引けまで に下げに転じ、同27セント安のバレル当たり65.10ドルで引けた。

アワド・アセット・マネジメント(ニューヨーク)で13億ドルの資産運 用を手がけるジェームズ・アワド会長は、「イラン問題をめぐる緊張感が背景 にある」と指摘。「原油価格はしばらく、これを材料に堅調に推移するだろ う」と付け加えた。

海底油田・ガス田掘削最大手のトランスオーシャンが上昇。インド最大の 石油会社、インド石油ガス公社から8億500万ドル相当の掘削装置を受注した。

このほか、米製油最大手のバレロ・エナジーをはじめ、米石油2位のシェ ブロンにも買いが入った。

小売株

エネルギー価格の先高観は個人消費への不安につながり、小売り株への売 りを促した。高級百貨店のノードストロムや業界最大手のウォルマートなどに 売りが出され、S&P500種採用の小売り企業で構成する指数は0.5%下げた。 3日に明らかになった米ミシガン大学調査による1月消費者マインド指数は予 想に反して前月から低下した。

大統領予算案では、高速道路建設予算として今年度の360億ドルから

8.5%増額の391億ドルが要求された。建材大手のバルカン・マテリアルズは 8%上昇し、S&P500種採用銘柄の値上がりトップとなった。

アルミニウム生産最大手のアルコアも上昇。JPモルガンのアナリストは アルコアの投資判断を「中立」から「オーバーウエイト」に引き上げ、リポー トで、「アルミ相場の堅調と、それが2006年のアルコアの利益とキャッシュ フローに与える影響は、市場で過小評価されているようだ」と指摘した。

USスチール

米鉄鋼最大手のUSスチール株も買われた。ドイツ紙フランクフルター・ アルゲマイネは銀行関係者の話を基に報じたところによると、同業のルクセン ブルクのアルセロールはオランダの製鉄大手ミタル・スチールからの敵対的買 収を回避する防衛策として、USスチールの買収を検討している。USスチー ル買収で債務水準を引き上げ、買収標的としての魅力を弱めることが狙いとい う。

アルコアやUSスチールの上昇で、S&P500種採用の原材料株で構成す る指数は1.7%上昇。産業別10指数のうち値上がり首位となった。

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