新日石:10-12月期純利益10%減-原油高で通期26%上方修正(5)

石油元売り最大手、新日本石油の2005年 10-12月期の連結純利益は前年同期比10%減の394億円になったと発表した。 同期に法人税などの負担が増えたことが影響した。

05年4-12月期の連結純利益は、前年同期比19%増の1213億円。原油 価格の上昇によって在庫評価益が発生したうえに、石油開発部門の利益も押し上 げられた。

年明け後も原油高が続いているため、06年3月通期の連結純利益見通しは 従来予想比26%増の1530億円に上方修正した。

原油価格が上昇すると、石油開発事業の増益要因となる。また在庫評価に 総平均法を採用している新日石の場合、期初の保有在庫が割安となり、売上原価 (コスト)を押し下げる効果がある。同社は在庫を約1000万キロリットル抱え ている。

在庫評価益が利益を押し上げ

4-12月期の連結売上高は、前年同期比22%増の4兆3104億円、営業利 益は同48%増の2305億円。寒波の影響などで灯油や電力向けC重油の需要が 伸びたことから、原油込みの内需向け販売数量は約2%増の4186万キロリット ルとなった。

経常利益は同41%増の2289億円。石油・天然ガス開発の増益部分が、原 油コストの転嫁不足による減益分で相殺された。このため全体の増益要因は、在 庫評価の押し上げ効果(816億円)で占められた。

実質経常利益は減益-原油コストの転嫁不足

在庫評価を除いた実質ベースの4-12月期経常利益は同154億円減の933 億円。この日都内で記者会見した平井茂雄常務によると、原油価格の上昇基調が 続いた場合、タイムラグ(販売契約条件に基づき、値上げの時期が遅れること) などによって製品価格へのコスト転嫁が不十分になるうえに、製油所燃料も自己 負担せざるを得なくなると説明。このため「真水の利益部分は悪くなる傾向があ る」としており、前期比455億円の減益要因となった。パラキシレンなど石化 原料の市況低迷も足を引っ張った。

一方、原油換算の平均生産量(権益ベース)は日量15.2万バレル(前年同 期は10.1万バレル)。豪州のダンピア油田、マレーシアのサラワク・ガス田の フル生産が寄与した。05年度全体の生産予想は15.6万バレル。ハリケーン被 害を受けたメキシコ湾の石油・ガス権益は「84-85%の回復率。30億円の減益 要因だが、順調に回復している」(同)という。

通期見通し

同社は原油価格が当初想定よりも高値で推移していることから、06年3月 通期の業績予想を修正した。連結売上高は従来予想比6%増の6兆1100億円、 経常利益は同30%増の3000億円、純利益は同26%増の1530億円を見込む。

前提条件は、2月以降のドバイ原油が55ドル(従来予想は50ドル)、為 替相場は1ドル=115円(同110円)。

ブルームバーグ・ニュースの計算によると、在庫評価を除いた実質ベースの 1-3月期経常利益は517億円(前年同期は430億円)。平井常務は増益要因 について「石油開発の貢献が大きい」との見方を示す一方、石油製品のマージン (製品価格と原油コストとの差)は「大幅な改善は考えていない」と語った。

ブルームバーグ・データでは、4-12月期の中東産ドバイ原油の平均価格 はバレル当たり52.03ドル(前年同期は34.88ドル)で、2日終値は60.56 ドル。4-12月期の為替相場は1ドル=112.01円(同108.48円)で、2日 時点は118.41円。

新日本石油の株価終値は前日比13円(1.4%)安の919円。