テンプルトンのモビアス氏:新興市場ファンドで昨年40%のリターン

新興市場株220億ドル(約2兆5960億円) 相当を運用している投資信託大手テンプルトン・アセット・マネジメントの マーク・モビアス氏は、これまでに学んだ投資の教訓の一つは、マサチュー セッツ工科大学(MIT)での博士号取得後の約30年前に、香港やインドネ シアで家から家へと行商した経験から得たものだと言う。

今年の8月に70歳になるモビアス氏は、「人の動機を理解するには外に 出て人に会う必要がある」と語る。適切な投資対象を見いだして保有する運 用方針が功を奏し、同氏のテンプルトン・エマージング・マーケッツ・イン ベストメント・トラスト(運用資産18億7000万ドル)は、昨年のリターン がドル・ベースで40%に達し、10億ドル以上の国際株式投資信託107本の中 で3位となった(ブルームバーグ・データ)。

ただ、テンプルトンにおける19年間には、運用しているクローズドエン ド型投資信託の運用基準見直しのタイミングが早くないとの批判を受け、ハ ーバード大学などの投資家との摩擦にも直面した。モビアス氏は「バイ・ア ンド・ホールド(保有目的での投資)」戦略は、長続きしない可能性もある 株価上昇を追いかけることなく、割安市場への投資手段の開発に役立ったと いう。

同氏は香港とシンガポールにオフィスを構えており、13カ国の事務所に 配置した35人のスタッフを監督している。ファンドの投資先企業には年に2 回出向き、出張にはテンプルトンの親会社、米フランクリン・リソーシズが 提供した自社用ジェット機を利用するという。同氏はフランクリンからの報 酬についてはコメントを避けた。同氏は12月と1月にブルームバーグのイン タビューに応じた。

モビアス氏が手掛けるファンド29本の1つであるテンプルトン・エマー ジング・マーケッツ・インベストメント・トラストは、1990年以降のリター ンが年15.6%と、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル (MSCI)新興市場指数の7.7%の2倍だった。

モビアス氏は、投資した株式の平均保有期間は5年だと述べ、最近では、 途上国の富の増加や一次産品需要の世界的な急増から恩恵を受ける企業を中 心に投資しているという。2005年末時点では、テンプルトン・エマージング・ マーケッツ・インベストメント・トラストの組み入れの21%が銀行株、13% がエネルギー関連株だったという。

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