OPEC生産枠維持でも供給不安払拭できず―東京市場関係者

石油輸出国機構(OPEC)は臨時総会で、 日量2800万バレル(イランを除く10カ国)の生産枠を維持することを決めた。 OPECの現実の生産量は26年ぶりの高水準だが、イランの核開発問題やナイジ ェリアの紛争など地政学的リスクの高まりなどで供給不安が払拭できない。東京 市場関係者の間では、国際的な指標となるニューヨーク原油相場が1バレル当た り70ドル突破するとの見方もあり、原油動向に注目が一段と高まりそうだ。

今月中に70ドル突破も

第一生命経済研究所・経済調査部の飯塚尚己主席エコノミストは「今月中に も70ドルを突破する可能性がある」と指摘、OPECが生産枠を維持しても供給 不安が依然根強いとみる。石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)はOPEC の総会後に発表したコメントで「イラン、ナイジェリアなどの主要産油国での供 給不安といった要因は短期的に収束しそうにない」とし、原油相場は高止まりす るとの見方を示す。

また、出光興産の天坊昭彦社長は、米国北東部の気温が2月に平年を下回る 予報があり「ヒーティングオイル(暖房油)相場が上昇し、地政学的リスクがよ り悪化すれば、原油相場はさらに押し上げられる展開も考えられる」とコメント しており、一段と上昇するとの予想も出ている。

OPECの現実の生産量は日量3000万バレルと26年ぶりの高水準で、需給 関係で言えば供給過剰の状態。だが飯塚氏はOPECが原油価格を決定する主導 的な立場になりつつあるうえ、石油開発費用が上昇してきたとも指摘。原油相場 は60ドル程度であれば、世界経済に悪影響を及ぼさないとの見方も原油高の背景 にあるという。さらに、原油の生産量が増えてくるものの、供給懸念に対応でき るのは07年以降とも予想され、原油相場は高値で推移すると分析する。

渡会長は「OPECには、世界経済の安定的な成長のため、新たな油・ガス 田の開発、生産体制のさらなる整備などを要望したい」と語る。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の時間外取引では1日(午前11時35 分現在)、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の期近3 月限価格が基準値比0.25ドル安の1バレル当たり67.77ドルで推移している。