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フジテレビ:ライブドアが直撃、保有株一転含み損も-提携は再考開始

証券取引法違反容疑で東京地検特捜部が強制捜 査に踏み切ったIT(情報技術)関連企業のライブドアが、国内民放最大手フジテ レビジョンの経営を直撃している。ライブドア株の連日の急落で大株主として保有 する株式が含み損を抱える公算が大きくなった。ネットと放送の融合を目指した業 務提携はすでに再考を迫られており、フジテレビ株も大きく値下がりしている。

ライブドア株は20日、ストップ安(値幅制限いっぱいの下落)に当たる前日比 80円(19.2%)安の336円の売り気配で午前の取引を終えた。差し引きで2億5000 万株超の売り注文が入っている。東京地検の家宅捜索を受けた翌日の17日から4日 連続のストップ安。株価はこの間360円下落、半値以下になった。

フジテレビは1株329円でライブドア株を1億3374万株保有している。ニッポ ン放送をめぐる攻防で和解、昨年5月に440億円を出資した。保有株は16日の段階 で490億円強の含み益だったが、これが一気に吹き飛んだ。上場廃止の懸念がある ライブドア株は週明けも下落が続く公算で、含み損への転落は避けられない。

フジテレビ株下落、役員も引き揚げ

フジテレビ株はこの日、一時1万7000円(5.6%)安の28万6000円まで下落 した。午前終値は1万5000円(5.0%)安の28万8000円。値下がり率で東証1部 5位に入った。大和証券SMBCの高橋和宏エクイティ企画部部長は「ライブドア 株下落で保有株が含み損に転落する可能性を懸念した売り注文が出た」と指摘した。

ライブドアへの家宅捜索を踏まえフジテレビは、ライブドアに派遣していた山 田良明常務(ライブドアでは取締役)を19日付で引き揚げさせた。山田氏から「一 連の強制捜査で遂行すべき責務が遂行できない」との申し出がフジテレビにあった。

これを了解したフジテレビは、ネットと放送の融合を実現させる狙いのこの提 携の再考を事実上始めたことになる。これまで実現したライブドアとの提携の成果 は、ミュージカル共同主催、無線LANの実験、サーバーの付加分散化といった程 度にとどまっている。

楽天とTBS、3月末までに結論

ネットと放送の融合では現在、楽天とTBSが業務提携委員会を通じて協議を 進めている。3月末までに具体的な内容を固める見通し。楽天は昨年10月、TBS 株を突如取得して経営統合を求めた。これに対してTBS側の抵抗が強く、楽天が 持ち株比率を一時的に引き下げて話し合いを進めることになった。

フジテレビ、TBSはともに放送会社の公共性を盾に、特定のネット企業との 結びつきには後ろ向きの姿勢を示している。このなかでライブドアに反社会的行為 の疑惑が浮上してフジテレビとの関係が後退しつつあることは、楽天とTBSの提 携協議に微妙な影響を与える可能性がある。

アセットアライブ(独立系投資顧問)の下川勝彦・代表取締役は、ライブドア の証取法違反容疑、強制捜査を受けて「TBSと楽天の提携のハードルが高くなる のは間違いない」と指摘した。そのうえで「テレビ局はネット企業と何をするかよ りも、誰と組むかを精査して対応する必要が出てきた」と述べた。

楽天株の午前終値は前日比2000円(1.9%)安の10万2000円、TBSは同20 円(0.6%)安の3100円。

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