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欧州債券市場:金融債が避難先、LBOは事業債に打撃

引き受け業務上位10社の調査によると、 欧州企業は今年、買収資金調達のため多額の借り入れを行う可能性があること から、債券投資家にとって唯一安全な投資先は、域内の銀行が発行する金融債 市場(3140億ドル規模)だとの見方が示された。

アナリスト調査で全員が欧州の金融債の投資判断を「オーバーウエート」 としたのは5年ぶり。JPモルガン・チェースによる1月6日の調査では、投 資家は第1四半期(1-3月)に金融債のリターン(投資収益)が全業種中ト ップになるとみていた。

昨年のレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保にして資 金を調達した買収)で上位5番目までの企業の債券価格は、最大30%下落し、 その価値は合計8億8600万ドル減った。エイパックス・パートナーズやブラッ クストーン・グループなど5社はデンマークの電話会社最大手TDCの153億 ドルの買収計画を完了しつつあるが、TDCの債券保有者にとっては13%の損 失をもたらしている。

TDC債などを保有しているコミンベスト・アセット・マネジメント(フ ランクフルト)の社債責任者、ボルカー・マーネットイズリンガー氏は13日の インタビューで、「実に嫌な体験だった。決して忘れないだろう」と語った。

資金調達計画が開示されている昨年の150件の欧州の銀行買収のうち、債 券で資金が手当てされたものはわずか1件だった(ブルームバーグ・データ)。

欧州の社債引き受けランキングで5位の仏BNPパリバは、事業債の利回 りの国債に対する上乗せ幅(スプレッド)は今年、16ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇する一方、金融債は4bpの上昇にとどまると予測して いる。

金融機関はLBOを実施できないため、投資家には安全性が高い。信用格 付けが下がると、資金調達コストが上昇し、融資で利ざやが取りにくくなる。 また、銀行同士の合併は監督当局が預金者保護の観点から厳しく審査する。

カナダ・ライフ(ロンドン)の債券運用担当者、ビル・ハラー氏は「銀行 の信用格付けを大幅に悪化させるような買収は実施されないだろう」と述べ、 「そのように言える業種はほかにあまりない」と語った。

メリルリンチのデータによれば、金融債の利回りは平均3.40%と、事業債 の3.57%を下回る。欧州では過去8年間のうち5年間、金融債が事業債を上回 るリターンを上げた。昨年の金融債のリターン(金利再投資ベース)は4.48%。 投資適格級社債全体のリターンは4.04%だった(メリルリンチ調べ)。

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