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シンガポール政府投資公社、インドやブラジルで不動産取得も(2)

シンガポール政府投資公社(GIC)は、 米不動産価格の低下リスクを軽減するため、インドやブラジルの不動産取得に 乗り出す可能性がある。

GICの不動産子会社GICリアル・エステートのシーク・ウギー・フア ット社長はインタビューで、米不動産市場について「バブルになるのか、段階 的な値下がりになるのか判断するのは難しい」とした上で、「われわれはブラ ジルやインドのような新たな市場を開拓する」と指摘。米住宅市場の「リスク は高い」との見方を示した。

シーク社長は、GICリアル・エステートがブラジルとインドの商業施設 や住宅に「数億ドル」規模の投資を行う計画だと表明。中国でも「数件」の住 居用不動産を取得する方向で交渉を進めていることを明らかにした。

GICは、シンガポールの外貨準備1000億ドル超を運用する設立24年の 公社で、シカゴのA&Tコーポレート・センター、東京の汐留シティセンター、 ソウルのスター・タワー、シドニーのチフリー・タワー・アンド・プラザを所 有。米住宅市場の伸び鈍化などを背景に、投資対象となる物件探しを拡大して いる。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)によれば、米国では2005年最終週の住宅 ローン申請は02年以来最も低い水準となった。米投資家ジョージ・ソロス氏は シンガポール訪問中の今月8日、米経済が来年、リセッション(景気後退)に 陥る公算があるとの見方を示している。

一方、ブラジル・サンパウロ市の不動産協会によれば、同市の高級マンシ ョン販売はここ2年間で76%増加。英不動産仲介のナイト・フランクは、イン ドのオフィス用不動産のネット利回りが11%と、アジアで最高だという。

インドと中国

GICリアル・エステートは世界の不動産投資会社の上位10社に入る。シ ーク社長は、同社がGICの資産の約1割を運用しており、その運用利回りに ついて、「国債を数百ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回る」水準だ としている。

同社長は、GICリアル・エステートがインドで、主要都市に加えて地方 都市でも住宅や小売業向け資産に投資するため、現地の提携相手を求めている と話す一方で、「正しいパートナーを見つけることは、資産を探すよりも難し いことがある。インドには多くの規制が残っている」と付け加えた。

中国についてシーク社長は、上海など一部の都市で不動産相場が行き過ぎ となっている可能性があるものの、それにより同社の対中投資が妨げられるこ とはないと指摘。「中国経済のトレンドを考慮すれば、中長期的に見た不動産 セクターは非常にプラスととらえられる」とし、上海についても、「住宅相場 は下落しているが、オフィス相場は上昇している」と説明した。

GICリアル・エステートは先月、中国で住宅開発を進めるため資産規模 で中国本土最大の不動産会社、中国万科の子会社2社に出資している。

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