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アジア株式相場:06年も上昇へ―日本の景気拡大が「波及効果」も

アジア株式相場は、3年連続高で今年を終 えようとしている。年間ベースの上昇としては10年ぶりの長期続伸となる。2006 年も、米金融当局の一連の利上げ打ち止めと日本の景気拡大を背景に、アジア 株の上昇は続く可能性がある。

JFアセット・マネジメント(香港)で640億ドル相当の運用に携わるグ レース・タム氏は、「アジアには良い機会がある。企業利益見通しは良好で、域 内では企業利益面でプラスの驚きがあるかもしれない」と述べる。

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の アジア太平洋指数は年初来で22%高となり、今週には5年半ぶりの高値を記録。 今年の上昇率は米S&P500種株価指数の3.9%を上回っている。MSCIの同 指数は、昨年は16%高、03年は38%高だった。

今年はMSCI指数の主要構成銘柄のうち、トヨタ自動車が47%高、韓国 のサムスン電子は46%高となっている。域内の4大経済大国のうち、日本と韓 国、インドの3カ国の株式市場では、指標となる株価指数がMSCI指数を上 回る上昇率を示している。

日経平均株価は年間で40%高、TOPIXは44%高。韓国総合株価指数と インド・ムンバイ証券取引所のセンセックス30種株価指数は今年、最高値を更 新した。

ただ、日本に次ぐアジア第2の経済大国である中国本土の株式市場は下落 が続いている。上海総合指数は年初来で7.6%安と、ブルームバーグがまとめた 世界の主要株価指数78のうちで4番目に大きな下落率となっている。

米国の需要

富士投信投資顧問(東京)で5000万ドル相当の運用を担当する中正功穂氏 は、米国の利上げ局面が来年終了すれば世界の株式相場にとってプラスになる と指摘。韓国やシンガポールといった輸出主導の一部のアジア市場が最大の恩 恵を受けるだろうと言う。

野村ホールディングスとゴールドマン・サックス証券のストラテジストら は、日本の株式相場が06年も上昇し、4年連続高になると予想している。そう なれば、年間ベースでは1989年以来の長期続伸となる。

中正氏は、日本の株式相場は長期間の低迷からの回復がまだ始まったばか りにすぎないと語る。日本株の上昇は、アジア市場に若干のプラスの「波及効 果」をもたらす公算があるという。

ゴールドマンのチーフストラテジスト、キャシー・松井氏は、海外投資家 の日本株買いは05年に過去最高となったが、来年は国内投資家の買いが増える と予想する。

韓国ではすでに国内投資家が株価を押し上げている。05年は海外投資家が 韓国株売り越しとなったにもかかわらず、韓国総合株価指数は54%高と、3年 連続の上昇となった。

KTBアセット・マネジメント(ソウル)で4億ドル相当の運用に携わる パク・ヒョンニュル氏は韓国株について、「来年の見通しは引き続きプラスだ。 国内景気が回復しており、国内投資家がさらに多くの資産を株式に移している」 との見方を示した。

原材料価格高騰が響き、上海総合指数が今年7.6%安となっている中国本土 の株式相場についても、ABNアムロ・アセット・マネジメント(アジア)で 50億ドル相当の運用に携わるキャシー・チャン氏(香港在勤)は、相場はすで に底を打っており、来年は反発すると見込む。

また、中国政府が進める上場企業の「非流通株」の転換プログラムを背景 に、中国企業のコーポレートガバナンス(企業統治)が改善し、株価を押し上 げるとみられる。チャン氏は、「中国には大きなチャンスがある」とし、中国本 土株市場は「正しい軌道」を歩んでいると語る。

経済成長

中国とともに今年、原材料需要を押し上げたインドでは、経済成長が株高 につながっている。センセックス指数の年初来上昇率は41%に達する。オース トラリア株式市場のASX200種指数は今年、18%上昇。世界最大の鉱山会社B HPビリトンが49%高、石油・ガス生産で豪2位ウッドサイド・ペトロリアム は94%高と、ASX200種指数に上昇に大きく寄与した。

当局の見通しによれば、日本は来年デフレから脱却し、中国は景気の急減 速を回避する。韓国とインドでは景気拡大加速が見込まれている。180億ドル相 当の株式を運用するT&Dアセットマネジメント(東京)のファンドマネジャ ー、箕中寛明氏は、こうしたことが域内全体の株式相場の良い兆候になってい るとし、アジアの経済成長見通しは引き続きしっかりとしており、アジア株が 来年も上昇するとみるのは正しい判断だと語った。

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