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7&i:西武百とそごう買収へ、最大2380億円で-流通世界企業に(8)

コンビニエンス・ストア世界首位のセブン& アイ・ホールディングスは26日、西武百貨店とそごうの持ち株会社ミレニアムリテ イリングを買収すると発表した。野村証券系の投資会社が保有する株式の現金での 取得および残りの株式の株式交換での取得を合わせて、最大2377億円を投じて全株 式を取得する。買収後に経営統合もして世界規模で事業を展開する総合流通グルー プを結成して事業拡大を目指す。

7&iはまず、野村プリンシパル・ファイナンスが保有するミレニアムリテイ リング株式5000万株、発行済み株式の65.45%を1311億円で取得する。株式移動 日は2006年1月31日。その後、同年3月末までは野村プリンシパル以外の株主に ついても保有株を現金で買い取る。

これで取得できなかった株式については株式交換で取得する。この際にはミレ ニアムリテイリング株1株に7&i株0.61株を割り当てる。この株式交換により7 &iは最大で2418万1000株の株式が必要になると試算している。7&iの22日株 価終値で算出すると、この株式は1066億円の規模になる。

現金と株式交換で最大2380億円

7&iは現金と株式交換で最大2377億円を投じてミレニアムリテイリングを全 額出資子会社にする。株式交換の期日は2006年6月をめどにしている。株式交換に 必要な株数は、みずほコーポレート銀行が保有する優先株式や役員・従業員が保有 するストック・オプションがすべて普通株に転換されたと仮定した場合のミレニア ムリテイリングの発行済み株式を基準に7&iが試算した。

ミレニアムリテイリングの和田繁明社長は、2006年5月予定の7&iの株主総 会と取締役会を経て、現職のまま7&i代表取締役副会長に就任する。統合会社は、 スーパーやコンビニ、外食、銀行に加えて百貨店2つを抱える、流通中心の巨大な グループを形成することになる。

日本市場では、小売り世界最大手の米ウォルマート・ストアーズのエドワー ド・ジェームズ・カレジェッスキー氏が西友の代表執行役CEO(最高経営責任 者)に12月15日に就任した。続く21日にウォルマートは出資比率を過半数に引き 上げて名実ともに西友を傘下に収めた。

こうしたなかで、7&iによるミレニアムリテイリング買収は、連結売上高で イオンを抜いて小売り国内最大手になると同時に、勢力拡大を進めるウォルマート 対抗策にもつながる。ウォルマートについて日興シティグループ証券の柳平孝シニ アアナリストは「西友だけでは収まらず、ウォルマートのシステムが合う地方のス ーパーなどにTOBを仕掛けてくる可能性もありそう」と予想している。

鈴木会長、和田社長を高く評価

7&iの鈴木敏文会長は都内ホテルで会見し、ミレニアムリテイリング買収に ついて「11月ごろから和田社長と話を進めて1カ月でまとめた。百貨店で差別化が できており、資産査定は事業整理のおかげで迅速だった」と述べた。

さらに「将来の経営で和田氏の力を借りるところが大きい」、「経営統合は現 在の2人の関係が大きな要因だった」といった発言をして和田社長の力量や手腕を 高く評価していることを強調、7&iや統合会社の事業拡大に期待を示した。

記者会見に同席した和田社長は、目指していた株式上場について「中核となる 株主が不在で買収防衛に不安があった」と述べ、上場ではなく7&iの傘下で事業 拡大や信用力向上を目指す方針を示した。すでに7&iとの統合については「大株 主7社に非公式に打診した」としている。

野村証券金融経済研究所の正田雅史シニアアナリストは、ミレニアムリテイリ ングを買収する7&iについて「少子高齢化などの人口構造の急速な変化を前に、 少量でも高品質商品をそろえていこうというのが戦略だった。グループ内に百貨店 を取り込み、少量・高品質路線をより鮮明化するのではないか」と分析した。

キャピタル・パートナーズ証券の志村裕久シニアアナリストは「本当にびっく りした。GMS(総合スーパー)で衣料品を強化するといってもおのずと限界があ る。『衣料品のヨーカドー』を復活させるためにも百貨店事業に乗り出していくの は理にかなっている」と将来的な業績寄与に期待を寄せた。

7&i株、ストップ高

ミレニアムリテイリングの株主(2月28日現在)は野村プリンシパル以外にク レディセゾン(持ち株比率14.68%)、DBJ事業再生投資事業組合(同5.11%)、 伊藤忠商事(3.71%)、オンワード樫山(3.27%)などとなっている。

クレディセゾンは、保有するミレニアムリテイリング株式について「現時点で は7&iからの提案がなく、申し入れがあった段階で対応を検討する」(佐藤恭 子・広報室課長)とコメントした。伊藤忠商事も「現在なんの要請もないが、7& iから売却・交換要請があれば応じることを検討する」(小林栄三社長)と述べた。

その他の株主を含めて保有するミレニアムリテイリング株については、現金で の買い取りに応じるか株式交換で7&iの株式を取得することになる。

西武百貨店は18店、そごうは12店を持っている。2006年2月期の予想で、合 算売上高は9350億円。セブン・イレブンは国内1万985店、海外1万7601店、イ トーヨーカ堂は国内180店、海外9店。

7&i株は、ストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)となる22日に比べて500 円(11.3%)高の4910円。取引終了段階での比例配分(売り注文の株数によって買 い注文を振り分ける取引)で売買が成立した。依然として940万株前後の買い注文 が残っている。

--共同取材 東京 鷺池秀樹、鈴木宏、竹本能文 Editor : Ozawa(kok)

堤 紀子 Noriko Tsutsumi (813)3201-8873 ntsutsumi@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo (813)3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Peter Langan (813)3201-7241 plangan@bloomberg.net

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