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新規上場株取引、異常あれば東証が中断できるように変更-誤発注問題

ジェイコム株の誤発注問題は市場に影響を 与えただけでなく、その後も誤発注関連の取引の扱いをめぐる混乱が続いている。 こうしたなか、東京証券取引所では取引の監視体制を強化するなど誤発注取引の 回避に向けて動き出した。東証・広報担当の三輪光雄氏によると、東証は今回の 事態を受け、新規上場株の取引に異常が認められた場合に、社員が取引を中断で きるという項目を、新たに社内マニュアルに付け加えた。

具体的には、公募価格から極端にかい離した価格で大量の発注がある場合、 また注文の確認や取り消しに時間がかかると判断された場合も、社員が一時的に 取引を中断できるという方針をマニュアルに明記した。

東証では従来から、3人の社員が新規上場株について初日の取引を監視して いる。これまでのマニュアルでは、異例とみられる注文があった場合は、まず注 文の確認を行い、発注した証券会社に注文の取り消しを促すとしていた。

明治ドレスナー・アセットマネジメントの八木甫株式運用部長は「現時点で は人海戦術をとり、社員により同じ間違いが繰り返されないようにするというこ とだろう。やらないよりはましな措置である」という。また、「本来であれば発 行済み株式総数を超える注文がある場合などは自動的にコンピューターがはじく ようなシステムを構築すべきであるが、それをするにはコストも時間もかかる」 と指摘する。

さらに、八木氏は「システムが今の取引状況に追いつかなくなっていること は確かで、見直す必要がある」と述べ、「そうするうえでコストは誰が負担する かという議論も出るかもしれない。すなわち発注側にも責任があり、業界全体で コストを負担してシステム構築をするという議論も出るかもしれない」と語る。

人材サービスのジェイコムは8日、東証マザーズ市場に上場、株価は公募価 格61万円を上回る67万2000円の初値を付けた。しかし、その直後に値を崩し て57万2000円のストップ安まで下落、さらにその後はストップ高の77万2000 円まで急騰し、取引を終了した。

株価の不自然な乱高下を招いたのは、みずほ証券による大量の売り注文だ。 61万円で1株の売り注文を出すところを、誤って1円で61万株の売り注文を出 してしまった。みずほ証券では誤発注に気付き、何度か取り消しを試みるが、う まくいかず、大量の買い注文を出して、大半を買い戻した。新規上場株の取引で 注文の取り消しができないのは、東証システムの不具合が原因だった。

東証の西室泰三会長(21日から社長兼務)は12日、与謝野馨経済財政政 策・金融担当相を訪ねて誤発注問題について報告した後、記者団に対し、「現在、 真相究明とともに、対策に万全を期すようにみなで一所懸命やっているというこ とで、対策そのものもすぐにできるものと、プログラムを変えなければいけない 部分があるので、それは4-5週間かかるが、しっかりやると話した」と語った。

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