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武田薬:TAPがノバルティスに抗かいよう剤のOTC権を供与(3)

国内医薬品1位の武田薬品工業は21日、米国 持ち分法適用会社「TAPファーマシューティカル・プロダクツ」の主力商品であ る抗かいよう剤「ランソプラゾール(米国商品名:プレバシド)」について、米国 での一般用医薬品(OTC薬)に絡む開発・販売権を欧州製薬大手ノバルティスに 供与すると発表した。

ランソプラゾールの04年度売上高は3735億円、米国だけで約2700億円を売り 上げる大型製品で、武田薬グループ(関係会社での売上高を含む)の米州事業の半 分を占めている。

ただ足元では同系統治療薬との競合激化で販売価格が低下、95年度は10%程度 のマイナスとなる見通しだ。

米国の抗かいよう剤市場では現在、医療用からOTCに転用した商品のシェア が拡大。ランソプラゾールなどの医療用もOTCの価格に引きずられて値下げをし なければ売れないような傾向が強まっている。

このため野村証券金融経済研究所の漆原良一シニアアナリストは、今回のライ センス契約を受けて、「武田薬がランソプラゾールのOTC製品の価格を決められ るのなら、ランソプラゾールそのものの価格をコントロールできるようになりポジ ティブ」と分析している。

一方、KBC証券アナリストのフィリップ・ホール氏は、「2009年の特許切れの 後、ランソプラゾールの売り上げが激減する懸念があったが、今回の発表で不安材 料が多少、緩和された」と分析、OTC商品の投入により、ランソプラゾールのシ ェア低下スピードを幾分和らげることができるとしている。

報道資料によると、TAPはノバルティスに、商標「プレバシド」の使用権、 開発・販売に関する知的財産の使用権を供与。ノバルティスはOTC化にかかわる 臨床試験、米国食品医薬品局への申請、承認後の製造・販売・流通のすべてを行う という。

ライセンス契約の詳細が分からないため、医薬品アナリストの間では確定的な 判断が出来ないとの声が多い。野村証の漆原氏は「プレバシド事業の利益が今後ノ バルティスに流れてしまうのなら、TAPの利益率が下がってしまう」と指摘、契 約の詳細を知りたいとしている。武田薬はライセンス契約の詳細や譲渡額について、 「契約により公開できない」(コーポレートコミュニケーション部井上環樹氏)と している。

武田薬の株価は前日比60円(0.9%)高の6500円(午後2時24分現在)。

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