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IPO主幹事の日興シティ、ジェイコム株で巨額利益-返還も検討(2)

ジェイコム株式取引をめぐる誤発注の騒動 のなかで、多額の利益を手にした証券会社には、ジェイコムの新規上場(IP O)で主幹事を務めた日興シティグループ証券も入っていた。日興シティは短時 間にIPO手数料の10倍近い10億円程度の利益を稼いだとみられ、関係者の間 では主幹事としての姿勢を疑問視する声もあがった。日興シティでは、得た利益 について、返還を含めた取り扱いの検討を始めた。

日興シティが財務省に提出した大量保有報告書によると、同社は約172億円 を投じており、8日時点でジェイコムの3000株を1株当たり57万3000円前後 で取得したことになる。現金決済価格の91万2000円で売却したとすると、10 億2000万円の利益が発生する。一方、ブルームバーグ・データによれば、日興 シティのIPO手数料は1億2000万円だった。

日興シティ、利益返還も視野に検討

こうしたなかで、日興シティ広報担当の渡辺直美氏は、同社が今回のジェイ コム株取引で得た利益をめぐり、今後の取り扱いについて検討していることを明 らかにした。日興シティのほかにも、UBSグループが3万8198株、モルガ ン・スタンレーは4522株、リーマン・ブラザーズが3150株、クレディ・スイ ス・ファースト・ボストンは2889、野村証券が1000株を取得したことが分かっ ているが、これら5社からは、まだ対応についてのコメントがとれていない。

ジェイコムの谷間高・取締役経営管理部長は、ブルームバーグ・ニュースの 電話取材に大阪の本社で応じ、日興シティの取引について「非常に不快だ」と心 境を語る。また、引受部門と自己売買部門との分離を背景に、こうした取引があ ったのは仕方ないとしながらも「取得事実の開示がほかの証券会社より遅かった ばかりか、自らの主幹事で公募し、株を手にした一般投資家の株が値下がりして いるなかで、多額の利益を上げるとは遺憾だ」などと述べた。

一方、与謝野馨経済財政政策・金融担当相も13日、閣議後の記者会見で、 外資系証券を中心としたジェイコム株取得について、「誤発注ということを認識 しながら、他の証券会社がその間隙をぬって、自己売買部門で株を取得するとい うことは、美しい話ではない」と述べ、こうした取引行動を暗に批判していた。

みずほ証券は約400億円の損失

こうしたなかで、発行済み株式の42倍の61万株という誤った売り注文を出 したみずほ証券は、8日までの買い戻しと13日の強制現金決済で、400億円程 度の損失を出した。みずほ証券の誤発注で市場が混乱するなかでの取引を通じ、 上場主幹事を務めた証券会社が自ら多額の利益を得た格好だ。

ジェイコム株は新規上場した8日、みずほ証券の大量の売り発注ミスにより 57万2000円のストップ安まで下落。東京証券取引所のシステム不備でみずほ証 が注文を取り消せなかったことが分かり、日本証券クリアリング機構が13日に 強制的な現金決済(1株当たり91万2000円)を行い、取引を完了するという極 めて異例の事態に発展した。

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