日清紡:新日無TOB880円に上げ、村上ファンド対応-日無線かぎ(2)

新日本無線への株式公開買い付け(TOB) を進めている日清紡は25日、TOBの価格を880円へ40円引き上げると発表した。 村上世彰氏率いる投資ファンドが日清紡より有利な条件でTOBを開始したことに 対応する。これに伴いTOBの期間も12月8日まで9日間延長する。

日清紡は当初、1株840円で11月9日から11月29日まで新日本無線へTOB をする予定だった。ここに村上氏が代表を務めるエム・エー・シーが1株900円で 11月21日から12月15日までTOBをすると21日に発表した。

これに対応して日清紡はこの日、TOBの成功をより確実にする必要があると して買い付け価格の引き上げに踏み切った。これにより買い付け予定(1975万6000 株)に必要な金額は175億円と7億9100万円増加する。

引き上げたTOB価格も依然として村上ファンドの価格を下回っている。この 点について日清紡は、新日本無線が日清紡のグループ企業になることによる価値の 向上は大きく、総合的に村上ファンドの提案を上回ると確信していると強調した。

日本無線の対応焦点

同時に、村上ファンドとマネーゲームをしないとの表明で、再度の買い付け価 格引き上げはしないとも断言した。新日本無線は24日に村上ファンドのTOBに反 対し、日清紡のTOBに改めて賛同する意を決議している。

新日本無線の筆頭株主で過半数の株式を持つ日本無線は、日清紡の当初のTO Bに応募することを決議したと発表している。村上ファンドのTOB表明後は対応 方針を発表はしていない。

日本無線の久保史郎・コーポレートセンター担当部長はこの日、「対応はまだ 決定していない。日清紡のTOB期日の12月8日までに決議することになる」と述 べた。すでに日本無線は村上ファンドの登場前に日清紡のTOBに応募をしている が、応募は撤回することが可能。

日本無線の筆頭株主は日清紡で、最大株主とのつながりでは日清紡のTOBに 応募することになる。一方で、村上ファンドに高い価格で売却できる機会を逃す点 について日清紡以外の株主から糾弾される可能性がある。

日清紡のTOBは日本無線1社が応募すれば成立するもので、この場合は村上 ファンドのTOBが失敗に終わる。日本無線の対応が、新日本無線の経営権をめぐ る日清紡と村上ファンドの攻防のかぎを握っている。

新日本無線の株価終値は、前日比19円(2.1%)安の906円。