堤猶二氏、抗告取り下げ-高裁仲裁でコクドと暫定株主権で合意(2)

西武グループの中核会社コクドは21日、 同社がグループ再編計画実現のため28日に予定している臨時株主総会の、開 催差し止めを求めて東京高裁に即時抗告していた堤義明・前会長の実弟である 堤猶二氏が、同抗告を取り下げたと発表した。同高裁の仲裁でコクドが猶二氏 を暫定的に株主と認めたため。

コクドは猶二氏らを株主と認めていないが、東京地裁が先に同氏らを株主 と認めた司法判断を踏まえ、今臨時総会に限り発行済み株式の約2%について 暫定的株主として株主提案の総会付議を認めることで合意した。猶二氏は現経 営陣が進める再編計画に反対する株主提案をする公算が大きい。

ただ、臨時総会では創業家の影響力を排除してグループ再編を進めるのに 必要な増資案などが可決される見通しで、猶二氏や兄の清二氏らは10月に発 表した最大5000億円規模の西武鉄道株の株式公開買い付け(TOB)を進め ることで対抗する。

猶二氏は21日、「コクドとの合意の理由については言及を避けたいが、 次の方策を検討しており早期に公表したい」とのコメントを発表。TOB実施 に向け国内外投資ファンドや金融機関と進めている資金調達交渉を急ぐ考えを 強調した。

名義株存在しない-義明氏がコメント

東京地裁(鹿子木康裁判長)は11日、猶二氏が西武グループ再編のため 開催される臨時株主総会の差し止めを求めた仮処分申請を却下したが、発行済 み株式の約2%(49株)については猶二氏や兄の清二氏らの保有を認めた。一 方、猶二氏は14日、総会差し止めを求めた仮処分申請を東京地裁が却下した のを不服として東京高裁に即時抗告していた。

コクドはこれまで、名義株は存在していないとの主張を繰り返しており、 猶二氏らを株主と認める地裁判断には「承服できない」との立場だが、16日ま でに同氏に総会招集通知を発送した。会見したコクド代理人の吉沢寛弁護士に よると、「総会をつつがなく開くため猶二氏を創業家代表として招集すること を決めた」という。

西武グループ創業者の堤康次郎氏が1964年死亡した際に同氏名義だった コクド株は発行済み株式の15%で、すべて学校法人国立学園に寄付された。こ のため、株式名簿上は義明氏以外の親族はコクド株を保有していないとされる が、猶二氏らは「寄付は形だけでコクド株の大半は名義上の株主が真実の株主 ではない『名義株』で実際は堤家の財産」と主張してきた。

東京地裁が猶二氏らの保有を認めたのは、プリンスホテルの元役員3人が 自分たちの名義となっているコクド株49株を「堤家のもの」として保有権を 否認した「認諾株」と呼ばれるもの。これらの認諾株の名義書き換えをコクド が拒否していることも「不当」と指摘した。

一方、堤義明・前コクド会長は21日、初めて代理人の坂井秀行弁護士を 通じて書面でのコメントを発表し、「名義株は存在しない」との認識を表明し た。会見した同弁護士によると、義明氏は「清二、猶二両氏の訴訟提起は現在 進められている再編案に反対するための手段と考えざるを得ないが、同再編案 こそ従業員や株主などの利益に最もかなうもの」としている。

義明氏は、証券取引法違反での刑事手続き中としてコメントを差し控えて いたが、このほど有罪確定を受け、コメントを発表することにしたという。

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