村上ファンド:新日無にTOB、167億円で子会社化-日清紡に対抗

村上世彰氏率いる投資ファンドは、新日本無 線の株式を公開買い付け(TOB)する。総額で167億円を投じて発行済み株式の 47%取得を目指し、既保有分を含めて株式の過半数を握り子会社化する。新日本無 線には日清紡が現在TOBをかけており、これを投資の好機ととらえてより有利な 条件でのTOBで日清紡に対抗する。

21日付の日経新聞に掲載された公告やホームページに開示した資料によると、 村上氏が代表を務めるエム・エー・シーは、新日本無線の株式を1株900円で11月 21日から12月15日まで公開買い付けする。取得予定株数は1856万5000株、発行 済み株式の47.44%。すでに新日本無線株の100万2000株、2.56%を保有しており、 予定数を買い取った場合、発行済み株式の50%超を握ることになる。

新日本無線の株価18日終値は839円で、TOB価格は61円、率にして7.3% 高い水準だった。買い付けなどの決済は立花証券。エム・エー・シーは予定分を超 えた株式もすべて買い取る方針で、最大で新日本無線株のすべて(会社保有の自己 株を除く)を取得する。

村上ファンド、日清紡のTOBに「異議を唱える」

エム・エー・シーは開示資料で、新日本無線へ先にTOBを実施している日清 紡に「異議を唱える」と強調した。新日本無線は日本無線の子会社で、その日本無 線の筆頭株主が日清紡になっている。こうした資本関係が影響して、日清紡のTO B価格は新日本無線の潜在的な企業価値を下回る水準になったなどとしている。

また、日本無線が応募するだけで日清紡のTOB予定数が満たされる点、新日 本無線が相乗効果の少ない日清紡の傘下に入る点もエム・エー・シーは批判した。

このため、エム・エー・シーは、自身のTOBが成立すれば、現在の新日本無 線の経営陣と友好的な関係を維持し、新日本無線の株主価値向上に資する意向はす べて受け入れるとしている。

東証で記者会見した村上世彰氏は冒頭で、TOBについて「日本一フレンドリ ーなもの」と述べ、新日本無線の株主にメリットの大きい点を強調した。新日本無 線については「1株900円でも投資価値がある」として、親会社の日本無線が村上 氏のTOBに応じないことはないだろうと予想した。

村上氏は21日午前に日本無線の経営陣と会談、22日に新日本無線の経営陣と 会う予定になっているとした。

日清紡、日本無線は応募内諾とのコメント発表

日清紡は8日、新日本無線に1株840円でTOBを実施すると発表している。 期間は11月9日から11月29日。このTOBには親会社で発行済み株式の過半数を 保有する日本無線が応募することを決議している。また、新日本無線自体も日清紡 のTOBに賛同の意を表明している。

日清紡はこの日、エム・エー・シーが対抗TOBをかけてきたことについて 「われわれのTOBには日本無線から応募の内諾を得ている。また、新日本無線の 取締役会は賛同の意を決議、公表している」とのコメントを発表、ひとまずは状況 を見守る姿勢を示した。

新日本無線の高橋美幸・総務部長はこの日、「日清紡の友好的なTOBに賛同 した方針に変わりはない。村上氏から事前には何の接触もなかった」と述べた。

新日本無線の株価は大幅に上昇した。午前の取引でストップ高(値幅制限いっ ぱいの上昇)となる前週末比で100円(11.9%)高の939円まで値上がりし、スト ップ高のまま取引を終えた。値上がり率は東証1部6位、売買代金は14億3300万 円。

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