NY外為(18日):ドルは2年ぶり高値付近、ECB総裁発言で一時高下

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがユ ーロと円に対して2年ぶり高値付近で推移している。米金利が日欧を上回るペー スで上昇するとの見方がドルの下値を支えた。

一方のユーロ相場はドルに対して、軟調に推移した後、欧州中央銀行(EC B)のトリシェ総裁発言をきっかけにプラスに転じる場面もあったが、その後、 値を消した。トリシェ総裁はECBは利上げの準備ができていると言明。ユーロ はこの発言直後、1.18ドルまで上昇した。

仏クレディ・アグリコルの証券部門、カリヨンの通貨ストラテジスト、ダラ フ・マー氏(ロンドン在勤)は、「現在はドル買いにポジションが偏っているよ うだ。市場関係者は利回りに注目しているが、日本は実質的にゼロ、欧州が利上 げしたとしても、米国はさらなる利上げが見込まれる」と話した。

EBSによると、ニューヨーク時間午後3時1分現在、ドルはユーロに対し て1ユーロ=1.1764ドル。前日遅くの1.1750ドルから下落。円に対しては1ド ル=119円17銭に上昇。前日遅くは同118円83銭だった。ドルは一時、ユーロ に対して1.1665ドル、円に対して119円40銭まで上昇し、それぞれ2003年11 月、同年8月以来の高値を付けた。

ドルは週間ベースで、円に対して0.9%上昇。ユーロに対しては0.2%下げ た。年初来では、対ユーロで16%上昇。対円では15%値上がりした。

セントルイス連銀のプール総裁は17日の講演で、米連邦準備制度による利 上げでインフレは抑制された状態にあると指摘。ただ、物価には引き続き圧力が かかり、「警戒が必要なことを示唆している」と話した。

G7

また、ロイター通信が関係者を引用して伝えたところによると、7カ国財務 相・中央銀行総裁会議(G7)は12月のロンドン会合で、ドル上昇の持続性に ついて協議する。匿名の関係者はロイターに対して、「秩序ある調整である限 り」ドル高は問題ではないとの認識を示し、ユーロ安はECB当局者にとっても 問題ではないと話した。

フォーティス・フィナンシャル・マーケッツ(ニューヨーク)の通貨トレー ダー、ヒュー・ウォルシュ氏は、「米国の経済成長見通しは他国より良好だ」と 話した。

日本銀行の福井俊彦総裁は18日の定例記者会見で、「2006年度にかけて、 量的緩和政策の枠組み修正の機会が訪れるであろう、その可能性が高まっている という点について、私どもの判断にいささかも変更はない」と述べた。

ドルは今週、ユーロに対して下落。10年物米国債と同年ドイツ国債の金利 差が97bpに縮小したことが背景。10月25日には123bpだった。

トリシェ総裁

ECBのジャンクロード・トリシェ総裁は18日、フランクフルトで開かれ た会議で講演し、域内のインフレ抑制に向けた利上げの準備が整っているとの見 解を示した。この発言をきっかけに債券相場は下落し、ユーロは上昇した。

トリシェ総裁は、「政策金利を2年半にわたり歴史的低水準に維持した後、 リスク水準を考慮するため、政策委員会は政策金利を現行水準から変更する決断 を下す準備ができている、と私は考えている」と述べ、「このことは、現在の金 融政策から緩和スタンスをいくらか解除することにつながるであろう」と述べた。

今月15日に発表された第3四半期(7-9月)のドイツ実質国内総生産 (GDP)の伸びが加速したのをきっかけに、欧州利上げ観測が高まっていた。

WestLBの通貨ストラテジスト、マイケル・クローウィッター氏(デュ ッセルドルフ)は、「欧州利上げ観測にもかかわらずユーロが大幅に上昇できな いのは、とても悪い兆候だ」と述べ、「金利差は依然として米国に有利だ。米連 邦準備制度は利上げのペースを鈍らせていない」と話した。

一方、ブッシュ大統領の19日の北京訪問を前に、中国が人民元の一段の上 昇を容認するとの観測が目先、ドルの上げを抑える可能性がある。ウエストパッ ク・バンキングの通貨ストラテジスト、ショーン・キャロー氏(シンガポール在 勤)は、「中国は次の一手をかなり早期に打つ可能性がある。対ドルでの許容変 動幅が若干拡大されても、驚かない」と話した。

--共同取材 香港 Yumi Kuramitsu, Paul Gordon、Bernard Lo, 東京 Kosuke Goto, ロンドン Mark Barton、ニューヨーク Joshua Krongold. Editor: Brennan

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