セントルイス連銀総裁:インフレは引き続き警戒必要-再利上げも

セントルイス連銀のウィリアム・プール総 裁は17日の講演で、米連邦準備制度による利上げでインフレは抑制された状態 にあると指摘。ただ、物価には引き続き圧力がかかり、「警戒が必要なことを示 唆している」と話した。総裁は、ケンタッキー州立大学で講演した。

プール総裁は「コア・インフレ率とインフレ期待は抑制されているが、根底 にあるインフレ決定要素は、警戒が必要なことを示唆している」と話した。総裁 は、連邦公開市場委員会(FOMC)は「これまでに金融政策スタンスを著しく 引き締め方向に動かしてきた」としながらも、新たに入手する情報が追加利上げ の必要性を示唆する場合は、FOMCは行動するだろうと話した。

プール総裁の発言は、過去1年間に24%値上がりした石油価格が他の商品 やサービスの価格にも波及し、ひいては賃金への圧力に転嫁されるとの懸念を米 当局者が抱いていることを示唆した。

プール総裁は「エネルギーは大きな話だ」と語った。総裁は一方で、インフ レ期待が抑制されていることを理由に、燃料コスト高が食品と燃料を除くコアの 物価指数に波及する可能性は低いとも述べた。

またプール総裁は「少なくとも中期的にみて、エネルギー価格が他の製品価 格に影響を及ぼす可能性はあるが、長期的なインフレ期待にはほとんど影響しな い見込みだ」と話した。

同総裁は講演後の質疑応答で、「中国経済が後戻りするとみる理由はまった く見当たらない」と述べ、中国による石油消費量増加がエネルギー高の一因とみ ていることをほのめかした。結果として、米国経済はエネルギー効率を高めるべ き、「大規模な調整」を行う必要があると述べた。

また、プール総裁は物価安定のリスクを見極めるうえで、数々の「不可解な 点」に直面していると述べた。第3四半期の非農業部門労働生産性統計で、時間 当たり給与は前年同期比5.8%上昇した。一方、別の指標の労働コスト指数は

2.9%の上昇にとどまっている。米国内総生産(GDP)に占める企業利益の比 率は1997年のピークに接近しており、「企業に価格決定力があることがうかが われる」と話した。

プール総裁は記者団に対して、「失業率5%という水準では6%のときに比 べて、労働市場は大きくひっ迫している」と指摘。ただ、「インフレ誘発の瀬戸 際にあるわけではなさそうだ。労働市場がさらにひっ迫しても、それは必ずしも インフレ加速を意味しない」と話した。総裁は「景気拡大を許容する余地はあ る」と話した。

プール総裁はインフレ目標を用いる金融政策に前向きな6地区連銀総裁のな かのひとり。インフレ目標設定については、次期米連邦準備制度理事会(FR B)議長候補に指名されたベン・バーナンキ氏も支持を表明しており、同氏が次 期FRB議長に就任した場合、同制度の導入を促す可能性がある。

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