7-9月GDP、きょう発表-民間予想は前期比0.3%増、年率1.1%

ブルームバーグ・ニュースが民間調査機関 を対象に調べたところ、内閣府が11日朝発表する7-9月の実質国内総生産(G DP)は前期比0.3%増、同年率プラス1.1%成長となる見込みだ。4四半期連続 でプラス成長となるものの、2期連続で鈍化する。GDPデフレーターは前年同期 比1.1%低下と下げ幅が拡大し、名目成長率は前期比0.1%増加が見込まれる。

7-9月の減速は、個人消費が実質で前期比横ばいと、前期4-6月(同

0.6%増)から減速するほか、設備投資が同0.1%減と6四半期ぶりにマイナスに 転じることが主因。一方で、住宅投資が同1.0%増と3期ぶりにプラスとなるほか、 公共投資が災害復旧事業もあり6四半期ぶりに増加することから、プラス成長は維 持する。

エコノミストの間では、成長率の減速は年前半の高成長の反動、調整による もので、回復基調に変化はないとの見方が多い。大和総研の牧野潤一シニアエコノ ミストは、「7-9月GDPの減速は、個人消費、設備投資での過去2四半期の高 成長からの反動という面が強い」とし、「それほどネガティブではない。全体とし て景気の方向感は緩やかに上向き」との見方を示す。

輸出は同3.2%増加する一方で、輸入も同3.2%増加し、外需の成長率への寄 与度はプラス0.1%、内需はプラス0.2%となる見通しだ。輸出は「年前半に低調 だった中国向けが好調」(BNPパリバ証券、河野龍太郎チーフエコノミスト)。 中国向けは、「電気機器、輸送用機器、一般機械など幅広い品目で増加し、当局の 投資抑制策の影響が一巡したもよう」(河野氏)。

消費、設備投資

個人消費の減速について日本総合研究所の石川誠エコノミストは、雇用不安、 所得不安が和らぐなかで、顕在化していた自動車などの需要拡大が一巡したことや、 厳しい残暑、台風の影響から秋物商品の動きが鈍かったことなどが背景と指摘。一 方で、価格下落が続く薄型テレビ、パソコンなどは好調に推移したという。

しかし、消費の基調が大きく変わったという見方は少ない。みずほ総合研究 所の武田淳シニアエコノミストは、「雇用、所得面でも改善傾向が続いていること から、消費は一時的に足踏みしているが、今後は所得環境の改善を背景に再び拡大 基調を取り戻す」とみる。

また、民需のもうひとつの柱である設備投資は、6四半期ぶりのマイナスと なりそう。三菱総合研究所の大島一宏エコノミストは、「中国での在庫水準の高ま りから、化学など一部素材業種が一時的に設備投資を控えたことが影響した」とみ る。大島氏は一方で、前2四半期が高い伸びだったことによる若干の一服感が出た だけで基調は悪化していないと強調した。

設備投資に1-2四半期ほど先行して動く機械受注(船舶・電力を除く民 需)をみると、7-9月の受注額は前期比2.1%増と4四半期連続でプラスとなり 増勢を維持したことに加え、10-12月も同6.2%増と増加見通しとなったことから、 設備投資は年度下期も堅調に推移するとみられる。

住宅

3四半期ぶりに増加する住宅投資について石川氏は、「一戸建ての減少傾向 が続いているが、投資マネーの不動産市場への流入が拡大するなか、都市部を中心 にマンション、アパートを建設する動きが活発化しており、全体を大きく押し上げ た」と指摘する。

7-9月の住宅着工戸数は128万戸程度と高い水準だった。ニッセイ基礎研 究所の斎藤太郎シニアエコノミストは、「雇用・所得環境の改善、地価の下げ止ま りなどを背景に、住宅投資は堅調な動きとなっている」としている。

先行き:10-12月

みずほ総研では10-12月期のGDPについて、国内民間最終需要が再び拡大 基調を取り戻す一方、民間在庫投資の減少、輸入拡大などから、緩やかな拡大にと どまると予想する。

JPモルガン証券では、10-12月期以降は、輸出に持ち直しの兆しが見える ことから、内需と輸出の両輪がけん引する形で、年率2%強の成長が可能とみる。 懸念材料は海外景気としたものの、米国景気も予想外に堅調に推移しており、当面 は心配ないとの見方を示す。

7-9月GDPは内閣府が11月11日の午前8時50分に発表する。各社の予 想は以下の通り。

《7-9月GDP》(%)
                         実質GDP                    名目GDP
30社                     前期比   前期比年率  前年比    前期比
平均値                     0.3       1.1       2.7       0.1
中央値                     0.3       1.1       2.7       0.1
最高                       0.5       2.0       3.1       1.5
最低                      -0.2      -0.7       2.2      -0.5
---------------------------------------------------------------
アクション エコノミクス               0.4       1.7       ---       ---
アレッティ ジェスティエッレ            0.3       1.2       ---       ---
バークレイズ キャピタル            0.4       1.6       2.7       0.1
BNPパリバ証券            0.4       1.7       2.6       0.1
キャピタル エコノミクス              0.3       ---       ---       ---
コメルツ銀行                  -0.2      -0.7       2.2       ---
CSFB                   0.2       1.0       ---       ---
第一生命経済研究所         0.4       1.6       ---       0.1
大和総研                   0.2       0.9       ---       0.2
大和証券SMBC           0.2       0.9       ---      -0.2
大和住銀投信投資顧問       0.3       1.1       2.6       0.1
ドイツ証券                 0.4       1.5       2.8      -0.1
フォーキャスト                    0.4       ---       ---       ---
ゴールドマン サックス              0.1       0.5       2.5       0.2
HSBC                   0.3       1.3       2.6       0.2
JPモルガン                  0.4       1.8       2.8       0.7
日本総合研究所             0.3       1.3       2.8      -0.1
日本経済研究センター           0.0       0.1       ---      -0.3
リーマン ブラザース               0.2       ---       2.7       ---
マクォーリー証券                 0.3       1.2       ---       ---
MCMアジア パシフィック         0.4       ---       ---       ---
メリルリンチ               0.3       1.1       2.4       1.5
三菱総合研究所             0.0       0.2       2.4      -0.5
三菱UFJ証・金融市場戦略部  0.2       0.9       2.4       0.1
三井住友アセットマネジメント        0.3       1.1       2.6       0.0
みずほ総合研究所           0.2       0.9       ---      -0.0
モルガン スタンレー                0.5       2.0       2.9       0.2
ニッセイ基礎研究所         0.5       2.0       3.0       0.2
野村証券金融経済研究所     0.3       1.1       3.1      -0.1
農林中金総合研究所         0.3       1.4       2.7       0.6
RAS銀行SPA           0.2       0.8       ---       ---
リード サンバーグ               0.5       ---       ---       ---
新光総合研究所             0.1       0.4       ---      -0.1
ソシエテ ジェネラル                0.5       2.0       ---       ---
ストーン アンド マッカーシー リサーチ      0.5       ---       ---       ---
UBS証券                 0.3       1.1       ---       ---
UFJ総合研究所           0.0       0.0       2.7      -0.3
ウェストパック銀行               0.3       ---       ---       ---
ウェスト LB                  0.2       ---       ---       ---
---------------------------------------------------------------

《7-9月需要項目》(実質、前期比、%) 在庫投資は寄与度
                        個人   住宅   設備   在庫   政府   公共
                        消費   投資   投資   投資   消費   投資
平均値                  0.0    1.4    0.2    0.0    0.3    0.9
中央値                  0.0    1.0   -0.1    0.0    0.3    1.1
最高                    0.8    3.6    2.4    0.3    0.8    2.3
最低                   -0.5    0.3   -1.0   -0.2    0.1   -2.2
---------------------------------------------------------------
バークレイズ キャピタル         0.1    1.0    0.1    0.1    ---    1.5
BNPパリバ証券         0.1    1.6    1.7    0.0    0.1    1.1
第一生命経済研究所      0.2    2.0    0.5   -0.0    0.3    1.7
大和総研                0.2    0.8   -0.6    0.0    0.6    0.8
大和証券SMBC        0.0    1.0   -0.7    0.0    0.1    1.7
大和住銀投信投資顧問    0.0    0.7   -0.4    0.1    0.3   -0.8
ドイツ証券              0.1    0.3    0.7   -0.1    0.4    1.9
ゴールドマン サックス           0.0    3.0   -0.5    0.1    0.4    0.7
JPモルガン              -0.5    1.2    0.9    0.3    0.4    0.4
日本総合研究所         -0.1    2.0    2.4   -0.0    0.3    0.9
日本経済研究センター       -0.2    1.6   -0.6    0.2    0.4    0.4
リーマン ブラザース            0.0    1.0   -0.5    0.0    0.2    1.5
メリルリンチ            0.8    3.6    1.8    ---    ---   -2.2
三菱総合研究所         -0.3    1.0   -0.6    0.0    0.2    1.4
三菱UFJ証金融市場戦略 -0.1    1.0   -0.6    0.1    0.1    2.3
三菱住友アセットマネジメント     0.1    1.0   -1.0    0.1    0.4    0.4
みずほ総合研究所       -0.1    2.9   -0.2   -0.0    0.8    1.5
モルガン スタンレー             0.2    1.0   -0.1    0.1    0.3    1.7
ニッセイ基礎研究所      0.3    1.3    1.0   -0.1    0.3    0.8
野村証券金融経済研究所  0.1    0.5    0.3    0.0    0.1   -0.9
農林中金総合研究所     -0.1    2.2    1.0    0.0    0.2    0.3
新光総合研究所         -0.2    1.6   -0.7    0.0    0.5    1.4
UFJ総合研究所        0.0    1.0   -0.1   -0.2    0.1    1.7
---------------------------------------------------------------


                        内需    純輸出   輸出    輸入   デフレーター
                               (外需)
                        寄与度  寄与度   前期比  前期比  前年同期比
平均値                    0.2     0.1     3.1     3.1     -1.1
中央値                    0.2     0.1     3.2     3.2     -1.1
最高                      0.6     0.2     3.8     4.5     -0.6
最低                     -0.1    -0.1     1.9     1.7     -1.5
---------------------------------------------------------------
バークレイズ キャピタル           0.3     0.1     3.5     3.2     -1.0
BNPパリバ証券           0.4     0.0     3.1     3.6     -1.1
キャピタル エコノミクス             ---     ---     ---     ---     -0.9
第一生命経済研究所        0.3     0.1     3.2     3.2     -1.1
大和総研                  0.1     0.1     3.3     3.2     -1.0
大和証券SMBC          0.0     0.1     3.4     3.2      ---
大和住銀投信投資顧問      0.1     0.1     3.8     3.7     -0.6
ドイツ証券                0.2     0.2     2.6     1.9     -1.5
ゴールドマン サックス             0.6    -0.1     3.3     4.5     -1.0
HSBC                  ---     ---     ---     ---     -1.0
JPモルガン                 0.3     0.2     2.9     1.9     -0.8
日本総合研究所            0.4    -0.1     2.8     4.4     -1.4
日本経済研究センター          0.2    -0.1     2.4     4.0     -1.4
リーマン ブラザース              ---     0.1     3.4     3.3      ---
メリルリンチ              0.2     0.1     1.9     1.7     -0.6
三菱総合研究所           -0.1     0.1     3.2     3.0     -1.5
三菱UFJ証金融市場戦略部  0.1     0.2     3.8     3.4     -1.2
三井住友アセットマネジメント       0.2     0.1     3.4     3.2     -1.3
みずほ総合研究所          0.23    0.0     2.6     2.8     -1.2
モルガン スタンレー               0.4     0.2     3.4     2.6     -1.3
ニッセイ基礎研究所        0.4     0.1     2.7     2.3     -1.2
野村証券金融経済研究所    0.1     0.1     3.7     3.5     -1.3
農林中金総合研究所        0.2     0.1     2.9     2.5     -0.8
新光総合研究所            0.0     0.1     3.1     3.1     -1.2
ソシエテ ジェネラル               ---     ---     ---     ---     -0.6
UBS証券                ---     ---     ---     ---      1.0
UFJ総合研究所         -0.1     0.1     3.4     3.2     -1.3
---------------------------------------------------------------

--共同取材:Harumi Ichikura Editor:Taniai

ゴールドマンサックス 1334Z JP<EQUITY>DES 大和証券 8601 JP <Equity>DES JPモルガン JPM US <Equity>DES 大和住銀投信投資顧問 DSBI JP <Equity>DES バークレイズ BARC LN <Equity>DES HSBC HD HSBA LN <Equity>DES 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 青柳仁美 Hitomi Aoyagi (81)(3)3201-8388 haoyagi@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先:

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