NY外為:ドルは対ユーロで5日続伸、米利上げ継続観測が押し上げ

ニューヨーク外国為替市場ではドルが上 昇。ユーロ圏と米国の金利格差が拡大を続けるとの見方を背景に、ドルは対ユ ーロで8月以来最長の5営業日で上昇した。

年初来の値動きでみるとドルは対ユーロで13%の値上がり。連邦準備制 度は今年に入り、7度にわたって利上げを実施した一方、欧州中央銀行(EC B)は金利を据え置いている。この日は米連邦準備制度理事会(FRB)当局 者の講演が予定されており、「慎重なペース」での利上げ継続姿勢が再確認さ れるかどうか注目されている。

フォーティス・インベストメンツで債券資産55億ドルを運用するキャメ ロン・クライズ氏(ロンドン在勤)は、「ドルは極めて有望だ」と語る。「ど の中央銀行よりも積極的に連邦準備制度は金融引き締めを実施している。しか もこの傾向は続きそうだ」と付け加えた。

EBSによると、ニューヨーク時間午後4時14分現在、ドルの対ユーロ 相場は1ユーロ=1.1767ドル。前日遅くの同1.1780ドルから上昇した。前日 は同1.1710ドルまで上昇し、2003年11月以来の高値を付けた。

ドルの対円相場は1ドル=117円58銭。前日遅くは同117円29銭だった。 ドルは7日に同118円38銭まで買い進まれ、2003年8月以来の高値を付けた。

財務省がこの日実施した5年債入札(発行額130億ドル)で、外国の中央 銀行を含む間接応札による落札比率が21%にとどまったことをきっかけに、 ドルはこの日の高値からやや押された。前回の5年債入札では同落札比率は

45.8%だった。

シティグループの通貨ストラテジスト、トッド・エルマー氏(ニューヨー ク)は、「ドルの上昇トレンドが崩れかけているとみる根拠はない」と語る。 「ユーロ圏金利よりも米金利の方が上昇余地が大きいようだ」と付け加えた。

4.75%の天井

ブルームバーグ・ニュースがこの日発表した最新のエコノミスト調査では、 フェデラルファンド(FF)金利は来年第1四半期以降も引き上げられ、6月 には4.75%まで上昇して頭打ちになると予想されている。FF金利誘導目標 は1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、4%に引き上げられた。

一方、ユーロ圏の政策当局者からインフレ加速を懸念する声が相次ぎ、ト レーダーの間では欧州金利にも上昇の可能性が取りざたされている。ドレスナ ー・クラインオート・ワッサースタインの通貨ストラテジスト、ティム・フォ ックス氏(ロンドン在勤)によれば、ユーロがこの見方を追い風に上昇できな いのは、米金利上昇ペースの方が速いとみられているからだという。

フォックス氏は、「金利格差がドルに有利な方向に拡大するとの見方に変 化はなく、引き続き確かなものとなっている」と述べた。

ECBは2003年6月以来、政策金利を2%で据え置いている。フォック ス氏は来年初めにも2.5%に引き上げられると予想している。日本銀行は2001 年以来、量的緩和を維持している。

この日はセントルイス連銀のウィリアム・プール総裁が講演を予定。投資 家は金利見通しを占ううえで手がかりはないかと注目している。フィラデルフ ィア連銀のアンソニー・サントメロ総裁とクリーブランド連銀のサンドラ・ピ アナルト総裁はいずれも、この日の講演で金融政策はインフレに言及しなかっ た。

10年債利回りで比較した米独利回り格差は1.11ポイント。この2年での 平均は0.46ポイント。10月25日には過去最大の1.23ポイントに拡大した。 また米国債利回りは同じ年限の日本国債利回りを3.01ポイント上回る。

RBCキャピタル・マーケッツの世界通貨戦略責任者、モニカ・ファン氏 (ロンドン在勤)は、「一段の米金利上昇への懸念がある」と述べたうえで、 「ユーロの対ドル相場は短期的な圧力にさらされ、1ユーロ=1.16ドルを試 す可能性がある」と語った。

--共同取材 東京 Kazumi Miura and Keiko Ujikane 香港 Paul Gordon ロン ドン Jake Lee and Jeremy Naylor Editor: Schoifet.

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