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楽天:TBS株15%超保有、「共同持ち株会社での統合」を申し入れ(5)

インターネット上の仮想商店街「楽天市場」 を運営する楽天は13日、民放3位のTBSの株式を15%超保有して筆頭株主かそ れに準じる株主になったと発表した。同時に共同持ち株会社を通じた経営統合を申 し入れた。

楽天はTBSの2938万株、発行済み株式の15.46%を保有した。3月末段階で のTBSの実質筆頭株主は日本生命保険で4%強を保有していた。村上世彰氏率い るM&Aコンサルティング(通称「村上ファンド」)もTBS株を買い進めている もようで、楽天と村上ファンドのどちらの持ち株数が多いかは現時点では不明。

TBSの大株主になった楽天は、共同持ち株会社を通じた経営統合で世界に通 用するメディアグループを設立するとの提案を申し入れた。主力の「楽天市場」と TBSの番組コンテンツ(情報の中身)や視聴者という強みをともに生かせる体制 で事業拡大を進める。

楽天の株大量保有をTBSは事前に知らされておらず、詳細は不明というコメ ントを出していた。大株主として突然提携を求める楽天にTBSの反発が予想され る。ライブドアも2月にニッポン放送株式を大量に取得して業務提携を求めたが、 フジテレビを含む経営陣の反発は根強かった。

楽天、速やかに協議開始を

ライブドア証券の田部井美彦シニアアナリストは、楽天の戦略について「テレ ビ地上波のデジタル化、双方向ネットワーク化を見越した動きとして「ネット上の 商取引とのシナジー効果を狙っている」と指摘した。楽天は ライブドアによるフジ テレビの経営権取得への案件にも強い関心を示しており、テレビ局と組むこと以前 から興味を持っていたのだろうとした。

明治ドレスナー・アセットマネジメントの栗本英昭シニアポートフォリオマネ ジャーは、ネット企業はどこもコンテンツを求めて放送会社との提携を模索してい ると指摘した。そのうえで楽天について「最終的には提携で何を達成できるかで、 経営参画できなくてもコンテンツが手に入れば基本的にはプラス」と評価した。

楽天はすでに9月29日、TBSの井上弘社長と会談して提携についての可能性 を打診した。TBSと楽天が企業連合を組むことで、世界市場でも勝ち抜くことが 可能な企業体ができるとしていた。連合体形成に際しては放送事業という公共性を 踏まえて、ともに独立性を維持できる持ち株会社を提案した。

楽天はこの日の提案について、速やかに協議を開始することも申し入れた。ま た株式取得と経営統合を提案した楽天が、TBSにとって敵対的な買収者と受け取 られないように、情報開示を十分にするともしている。

財務省にこの日提出した大量保有報告書(5%)によるとTBS株は8月10日 から9月2日まで、9月21日から10月12日までほぼ毎日取得し続けた。TBSの 株価は8月後半から下値を切り上げていたが、明確に上がり始めたのは9月末から だった。楽天は9月26日にはTBS株を330万株取得している。

TBS、「唐突な印象、慎重に対応検討」

TBSは楽天の株式大量保有と統合申し入れを受けてコメントを発表した。楽 天について「これまで業務提携について協議を続けるなかで、何の事前連絡もなく 短期間にかつ大量に株式を取得したことに唐突な印象を受けている。今後、慎重に 対応を検討していく」としている。

また、村上世彰氏は日本テレビの番組に出演し、楽天のTBS保有株比率につ いて「けっこうある。予想以上に多かった」と述べた。村上氏のTBS保有株につ いては言及を避けた。

都内で記者会見した楽天の三木谷浩史・会長兼社長は、「村上ファンドは短期 間に利益をあげることが目的。われわれは事業の強化が目的であり、基本的にまっ たく違う。TBSの問題で村上氏と接触したことは一切ない」として、村上ファン ドとの違いを強調。「今のところ村上ファンドがTBS株をどれだけ保有している か、把握しておらず、株の買い取りは考えていない」とも述べた。

持ち株会社が実現した場合、2つのプロ野球球団(東北楽天ゴールデンイーグ ルスと横浜ベイスターズ)を持つことについては、野球協約上の問題があるのでは との質問に対し、一般論と前置きしたうえで「2つの球団保有は好ましくなく、オ ーナー会議などで相談する必要はある」と述べた。

記者会見に同席した國重惇史・副社長は、TBS株の買い増しについて「未定 だ。市場に影響もあり、言及は不適切である」とコメントした。また提案が受け入 れられなかった場合にTOBをかけるかどうかについては「話し合いがスタートし たばかりで、考えていない」と述べるにとどめた。

TBSは5月18日に買収防衛策を発表、日興コーディアルグループの投資会社、日 興プリンシパル・インベストメントへ新株予約権を6月3日に発行した。権利行使期間 は6月6日から2年強。

当初の仕組みは20%超の株式を保有する株主が現れた場合、特別委員会の諮問を参 考にTBSが対抗策を決定して実施、新株予約権を行使した場合は日興プリンシパルが 2割前後の株式を取得して筆頭株主になる。対抗策にはこの新株予約権のほか、株式分 割も含まれている。

TBSはさらに9月16日、電通、ビッグカメラ、三井物産、毎日放送の4社に 第三者割当増資を実施、買収防衛策での安定株主工作にもつながる対応もしている。

この日のTBS株は大幅高。ストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)となる前 日比で500円(15%)高の3730円まで上げて取引を終了した。日本テレビ放送網、 テレビ東京、テレビ朝日の民放各社の株価も軒並み今年の最高値を更新した。ライ ブドアとの攻防で買い進まれていたフジテレビ株は小動きだった。

--共同取材 東京 松田潔社 鈴木恭子 Editor:Okimoto,Hinoki,Ushiroyama,E.Ueno

山口 義正 Yoshimasa Yamaguchi (813)3201-7298 y.yamaguchi@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 沖本健四郎 Kenshiro Okimoto (81)(3)3201-8379 kokimoto@bloomberg.net 東京 後山 哲三 Tetsuzo Ushiroyama

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