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FOMC議事録:利上げの必要性示す、「慎重なペース」削除へ布石

米連邦準備制度が11日に公開した連邦 公開市場委員会(FOMC、9月20日開催)議事録は、価格上昇を抑制する ために金利は恐らく一段と上昇する必要があると指摘し、ハリケーン「カトリ ーナ」後のインフレに対し、政策当局者が懸念を強めていることを示唆した。

議事録は8月29日にカトリーナがメキシコ湾岸に上陸して以来、「イン フレの上昇リスクが強まったもようだ」とし、「恐らくは一段の利上げが必要 とされるだろう」との見通しを示した。9月のFOMCは9対1で、昨年6月 以降11回目の利上げを決定。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は4 年ぶりの高水準に相当する3.75%に設定された。

議事録にはマーク・オルソン理事以外に、利上げ反対の声が挙がったとの 表記はない。FOMCで、議長案に反対票が出されたのは2年ぶり。議事録は また、FOMC声明に盛り込まれている「慎重なペース」で金融緩和を解除し ていくとの文言の変更に向け、連邦準備制度が準備している可能性を示唆した。

議事録は前回会合の8月9日以降、「インフレ見通し全般に対する参加者 の懸念は高まった」とし、金利を据え置いた場合、「経済の基本的な強さに対 するFOMCの認識、および物価安定を促進するFOMCの取り組みの両方に ついて、誤った見方に導きかねない」とした。

FOMCは2004年5月以来、「慎重なペース」で金融緩和を解除してい く姿勢を声明に明記している。

先行きについての文言

議事録は、「これまですでに金融緩和の解除がかなりの程度達成されたと の見方を一因に、将来の会合では声明に盛り込まれる先行きに対する文言を変 更する方向で検討することに、一部から前向きな見方が示された」とし、「慎 重なペース」での金融緩和解除を進めるとの文言削除に向け、土台作りに着手 したことをうかがわせた。

メシロウ・ファイナンシャル(シカゴ)のチーフエコノミスト、ダイア ン・スウォンク氏は、「連邦準備制度には『慎重なペース』削減への強力な圧 力がかかっている」と述べた。

議事録では、利上げに反対したマーク・オルソン理事はハリケーン「カト リーナ」による影響を見極めるため、さらなるデータを待ちたいと主張してい たことが明らかになった。これによると同理事は、「カトリーナによる深刻な 打撃が経済にどのように影響するか、さらなる情報を待つため、政策行動を遅 らせるのが望ましい」と述べていた。

オルソン理事は今週、カナダのバンクーバーとシアトルで講演を予定して いる。同理事は利上げ反対の理由について、これまでに公に詳細を語っていな い。

来年のインフレ予測を上方修正

同FOMCでは連邦準備制度の調査スタッフによる景況説明が行われ、こ のなかで、カトリーナの影響を理由に年末までの成長見通しが下方修正され、 同時に復興事業による押し上げ効果で来年の見通しが上方修正された。また食 品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)価格指数の2006年予想が上 方修正された。

議事録は、「生産水準は2007年までに、ハリケーンが起きなかったと仮 定した場合の軌道に回復しているだろう」とした。

財政懸念

議事録によるとFOMCは、ハリケーンで被災したメキシコ湾岸の復旧支 援で政府支出が拡大することについて、「すでに膨大な規模に達している財政 赤字をさらに押し上げ、ここ数年で顕著になっている財政規律の懸念すべき欠 如を一層悪化させる」との懸念が示された。

--共同取材 ワシントン Craig Torres. Editor: Abruzzese

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