東芝社長:攻めの経営へ、半導体は世界3位目標-利益上振れに含み

東芝の西田厚聰社長は26日までにブルームバ ーグ・ニュースとのインタビューに応じ、「今後は成長路線に軸足を移し、攻めの経 営をする。利益成長を確かなものにし、企業価値を高めたい」との抱負を語った。成 長のけん引役である主力の半導体事業は分社化せず、事業規模で04年の世界7位か ら07年には3位を目指す決意を示した。

中期計画では、07年度の収益目標として「売上高6.6兆円、営業利益率4% 以上」と設定、これを「必達」のコミットメントに掲げた。西田社長は「2000年以 降、たとえば売上高目標を達成したことは一度もない」と率直に認めつつ、「過去数 年間は構造改革を進めたので、さらに大改革をすべき状況にはない。半導体事業だけ に依存しない収益体質にし、公表数字を確実に守ることで市場からの信頼を取り戻し たい」と強調した。

05年度の連結業績は、売上高が前期比2.8%増の6兆円、営業利益が同9.8% 増の1700億円を予想。このうち、稼ぎ頭の半導体事業は売上高が同11%増の1兆 400億円、営業利益は同9.3%減の750億円と減益を見込む。ただ、同事業は注力 するNAND型フラッシュメモリ(電気的に一括消却・再書き込み可能なメモリ)が 好調なため、市場では1000億円前後への増益・上振れに期待が集まっている。

これに対し、西田社長は「半導体事業の利益が上振れすることは十分ありう る」と含みを残したものの、「年率30-40%の単価ダウンを覚悟しており、それを 前提に750億円の計画をつくった。現段階で上方修正はしない」と述べた。

「DRAMの二の舞にはしない」

同社の半導体事業は主に、1)世界シェア2位のNAND型フラッシュメモリ、 2)シェア首位のディスクリート(個別半導体)、3)システムLSI(大規模集積 回)の3つに大別される。西田社長は「これをバラバラに分社化する気はない。半導 体事業全体の事業規模で世界3位のポジションを確保したい」と述べたうえで、「フ ラッシュの市場では、提携相手の米サンディスクと当社合計のシェア40%を今後も 維持する」との展望を示した。

設備投資は、07年度までの全社計画1.1兆円の半分にあたる5500億円を半 導体事業に傾斜配分。これについては、四日市市新工場の生産能力のフル活用に向け、 2000億円の追加投資も取りざたされているが、「あんなものではとても少ない。い くらとは言えないが、市場の伸びをみて積極的な投資を継続する。サンディスクと投 資負担を分け合うことで、投資余力は十分ある」と、投資増額に強気の姿勢を示した。

05年度は1690億円を投資する。半導体製造加工技術は、回路線幅が90ナノ (ナノは10億分の1)メートルと70メートルへの微細化が進んでいるが、来年は 55ナノメートルにシフト。また、ひとつの素子に多くの情報を蓄積する「多値化」 の技術ではライバルのサムスン電子に半年から1年先行しており、コストダウンを図 っている。こうしたことで、西田社長は「十二分にサムスンと闘っていける」と言う。

東芝は、2001年末にDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出し メモリ)事業から撤退。これにより、「パソコンという単品の需要動向に振り回され ることはなくなった。シリコンサイクルの波によって業績が大幅に振れるというリス クは軽減されている」(西田社長)のは事実。西田社長は「NAND型フラッシュメ モリは、デジカメ、携帯音楽プレーヤー、携帯電話と需要をけん引する商品群を持つ。 08年の市場は現在の2倍の2兆円以上に拡大する年率40%の高成長分野だ」と説明、 「DRAM事業の二の舞にはならない」と強調した。

東芝の26日終値は、前日比変わらずの435円。

--共同取材 小笹俊一、曾宮一恵   Editor: Murotani

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