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ワールド社長:「一度アクセル思い切り踏みたかった」-上場の制約強調

MBO(会社経営陣による自社買収)を通 じて株式の非公開化を決めた国内アパレル大手ワールドの寺井秀蔵社長は26 日、都内で開いた投資家向け説明会で、「これまでアクセルを踏んだことがな い。上場企業である限り、収益性が大事だと思って、粗利益率の管理に注力し てきた」と語り、1997年の社長就任以来、収益性や経営効率の向上を経営の最 優先課題と位置づけ、売り上げ至上主義の欲求を抑制してきたことを明らかに した。

そのうえで、寺井社長は非上場化した後の経営手法について、「一度、ア クセルを思いっきり踏んでみたい」と指摘。ワールドという企業を「スポーツ カー」に例えながら、「どこまでスピードが出るものなのか、ブレーキはしっ かり効くのか確かめたい」と述べ、一気に売り上げを拡大できるのか、戦略変 更に即時対応できるなどに挑戦したいとの意向を示した。

この日の説明会には約100人の投資家やアナリストなどが参加。非上場化 を決断した背景などの説明を求める質疑が続いた。寺井社長は「短期的な株主 価値の向上ばかり求める向きに違和感を抱いた」ことや、市場に対する情報開 示に熱心であったがために、「当社にとって出したくないことまで出さなきゃ いけないとの思いがあった。情報が競争相手に流れるリスクもあった」などと 説明した。

就任当初は「企業価値のほぼ同意語は株主価値」と考えていた寺井社長も 8年間の経営経験を経て、「顧客、従業員、取引先など株主以外のステークホ ールダー(企業の利害関係者)への責任を痛感するようになった」という。

みずほ証券の高橋俊雄シニアアナリストは「寂しい。われわれと会社側の 誤解が解けないうちに非上場化してしまい本当に残念だ」と述べていた。

ワールドは25日、寺井社長の個人会社を通じて株式公開買い付け(TOB) を実施し、ワールドを買収する計画を発表。さらに、会社の知名度が高く、大 きな資金調達計画もないため、株式上場を継続する意味がないとして、株式を 非公開にする方針を明らかにした。ただ、子会社などがIPO(新規株式公開) する可能性はあると指摘していた。

ワールドの株価は前日比300円(6.8%)高の4710円で引けた。

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