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アナリストの人民元切り上げシナリオ、米国株投資家は慎重姿勢崩さず

米大手証券会社ゴールドマン・サックスのア ナリストは、中国人民元の切り上げで米ウォルマート・ストアーズなどの小売り 企業は打撃を受ける一方、資源会社は恩恵を受ける可能性があると予想するが、 投資家の一部にはこうした投資助言に従って行動しない人もいる。人民元改革の 影響は徐々に表れるとみられ、アナリストらは人民元改革の影響を誇張している と判断しているためだ。

MFCグローバル・インベストメント・マネジメントで160億ドルの運用に 携わるマーク・シュミア氏は、「大手多国籍企業の業績面からみると、中国は重 大事ではない」と述べ、「明らかな勝ち組と負け組の名前を挙げることはできな い」と話す。

タイミングも問題だ。中国の温家宝首相は3月14日に人民元の米ドル・ペ ッグ(連動)制変更は「意表をついた時期」に行う可能性があると述べており、 6月26日には、中国政府による人民元改革にはさらに時間が必要だと表明した。 これに対し、中国製品に対する関税導入法案の採決延期について6月30日に合 意したチャールズ・シューマー上院議員(民主、ニューヨーク州)は、数カ月以 内の「実現」を期待していると述べた。

人民元は1995年以降、1ドル=8.277元から上下0.3%以内の変動幅に事実 上固定されている。香港市場で取引されるノン・デリバラブル・フォワード(N DF)と呼ばれる人民元先物は、自由に取引された場合1年後に5%上昇し、1 ドル=7.859元に上昇すると予想されていることを示す水準にある。

カンバーランド・アドバイザーズの主任投資責任者、デービッド・コトック 氏は、元切り上げが実現した場合、最初はせいぜい5%の元上昇にとどまるとみ る。中国は輸出競争力を維持しつつ、貿易摩擦を避けたいためだという。

中国企業に製品供給を依存している米企業は、人民元上昇によるコスト増加 で最も大きな打撃を受け、収益が低下する可能性がある。ゴールドマンがアパレ ル・履物業界を対象に実施した2004年の調査では、米小売り業者は商品の約4 分の1を中国から調達していた。米国の対中貿易赤字の約1割はウォルマートが 原因で、昨年の対中貿易赤字が1620億ドルに膨らむなか、同社は中国から180 億ドル相当の商品を購入した。

ただ、MFCのシュミア氏らによると、元切り上げによるコスト増加は必ず しも多国籍企業に痛手とならない。中国の供給元がその増加分を担い、値下げし てシェア低下の回避を図る可能性があるからだという。同氏は少なくとも20% の切り上げがないと、影響は出ないだろうと予測。年内はせいぜい10%の切り 上げにとどまると予想する。

- -Editor: Fu, Wilson, Wolfson

kshugo@bloomberg.net   Editor:Kobari 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク Lu Wang (1) (212) 318 256 Lwang8@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: John Melloy (1) (212) 617-2179 jmelloy@bloomberg.net

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