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石油製品:販売競争を背景に末端値上げ鈍化-6月の卸売価格に注目

最近までの原油相場の下落に歩調を合わせる形で、 ガソリンや軽油といった製品価格が下げている。石油会社はコスト未転嫁部分の回収に 引き続き注力しているが、末端ガソリンスタンドでは厳しい販売競争を背景に、5月分 の値上げが浸透しないケースも出ている。石油会社は26日以降に6月の卸売価格を公 表するが、収益確保のうえで今後も気の抜けない状態が続きそうだ。

ドバイ原油の25日終値は、バレル当たり45.02ドル。4月4日に50.16ドルの 過去最高値を記録したが、米在庫の増加傾向や産油国の増産発言などを受け、その後は 45ドル付近で落ち着いた動きとなっている。国内の業者間ガソリン現物価格(京浜地区 のリム価格)は、25日時点でキロリットル当たり4万2950円となり、2日高値からは 11%安。軽油価格は4万4750円で、4月11日高値からは16%安。

石油情報センターのレギュラーガソリン全国店頭価格は、23日時点で前週比0.1 円安のリットル当たり124.4円。5月入りとともに1.3円上昇したが、その後は124 円台で頭打ちの状態だ。埼玉県価格は、前週比0.7円安の121.1円。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、販売激戦区とされる埼玉県南部 (川越 街道周辺の和光、志木、所沢市など)の幹線道路沿いのガソリンスタンドでは、レギュ ラー店頭表示価格は118-120円前後が目立つ。石油会社の値上げを受けて5月入りと ともに一気に4-5円上昇する場面があったが、5月第3週にはこの値上げ部分がほぼ 帳消しとなった。新日鉱ホールディングス・企画管理グループの杉内清信取締役は11 日の決算会見で、足元のマージンに関して、4月は比較的順調に値上げが浸透したもの の、5月の値上げ(2.3円)については「地域によって値上げできないところもある」と 語り、警戒感を示していた。

石油マージン-生産側と販売側の攻めぎあい

UFJつばさ証券の小野目聡アナリストは、新日本石油などの収益見通しに関して 「原油価格がやや落ち着く傾向を見せるなかでの製品価格へのコスト転嫁 (主に未転嫁 部分)の動きが重要」と指摘する。新日石の渡文明社長は、年初から4円程度のコスト 未転嫁部分が残っているとして回収に注力する姿勢を示す一方、スタンド側は過当競争 を背景に「値上げしにくい面がある」(小野目氏)ことから、今後も原油価格が一服し た局面では両者の攻めぎあいが表面化しやすいとみられる。

ブルームバーグ・ニュースの計算では、ドバイ原油の円換算平均価格(4月26-5 月25日)はリットル当たり30.1円となり、前月比で約1.7円安い。このため石油各 社は通常の値決め方式に従うと、6月の石油製品卸売基準価格を前月比1円前後引き下 げるとみられる。ただガソリンスタンドの販売価格が先行して下げていることから、実 質的には据え置きとなる可能性もある。

新日本石油の株価は前日比4円(0.6%)高の695円、新日鉱ホールディングスは 同2円(0.4%)安の577円(午後1時18分現在)。

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