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ボーダフォン:回復3カ年策、メール軸-金融や音楽の他社に対抗(2)

国内携帯電話3位で収益が低迷しているボーダフォ ンは24日、事業回復に向けて3カ年の中期計画を策定していることを明らかにした。顧 客の評価が高かったメールの機能強化を軸に、端末やネットワークを拡充させる。金融 機能を強化しているNTTドコモや、音楽・映像機能を充実させているKDDIといっ たライバルに対抗していく。

ボーダフォンの津田志郎会長はこの日、決算発表会見の席上で事業の反転攻勢、成 長に向けて2005年度からの3カ年計画を取りまとめていることを表明した。「写メー ル」がヒットした経験から顧客はボーダフォンのメール機能を評価しているとして、 「よりメール機能を高度化して提供していく」と強調した。

同時に他者に比べて見劣りがする端末やネットワーク(通話可能地域)について、 機能や設備を強化して同等のレベルまで引き上げる。端末については第3世代携帯電話 に主流を置きながら、第2世代の機種も投入する。また、基地局を2005年度中に5000 局新設して、特に郊外の通話環境を改善させていく。

津田社長は、ドコモとKDDIとの差が拡大しつつある現状を示したうえで、こう した取り組みにより「現在の新規契約者の純減を早期に止めて純増にして、さらに純増 シェアを高めていきたい」と述べた。こうした事業計画が成功したかどうかは、契約者 数やそのシェア、収益の水準で判断するとしている。

国内携帯首位のドコモは、ICチップを携帯に搭載してコンビニなどで買い物がで きる機能を付加している。さらに三井住友フィナンシャルグループ(FG)と提携して クレジットカード機能を備えた携帯電話も開発する。

KDDIはテレビ放送と携帯電話の通信機能を融合して、テレビで流れる音楽を携 帯電話に取り込んで再生できる機能を持った携帯電話を投入する。

携帯電話業界ではナンバーポータビリティ(事業者を変更しても電話番号が変らな い制度)の導入を2006年中に控えて各社の顧客の獲得、囲い込み競争が激しさを増して いる。先行するドコモ、KDDIが足場を固めるなかボーダフォンの収益環境は予断を 許さないが、津田会長とモロー社長という4月からの新体制の下でボーダフォンが再生 に向けて一歩を踏み出した。

前期は1620億円の黒字に転換、携帯部門は営業減益

前期(2005年3月期)決算は、連結純損益が1620億円の黒字(前の期は1000億円 の赤字)に転換した。前の期にあった固定電話部門、日本テレコムの売却損がなくなり、 2期ぶりに利益を確保した。前期純利益は1100億円を予想しており、実績はこれを上回 った。前の期の日本テレコムについては、米投資会社リップルウッド・ホールディング スに売却したことに伴う売却損が1523億円も発生していた。

前期の売上高は11.2%減の1兆4700億円に減少した。これも同様に日本テレコム が連結対象から外れた影響で減収になった。本業の儲けを示す営業利益は15%減の1580 億円だった。携帯電話部門も2.6%の減収、14%の営業減益になった。

収益回復策が軌道に乗るには時間がかかるため、今期(2006年3月期)の収益も楽 観視はできない。業績予想の数値は開示していないが、津田会長は「厳しいという状況 に変わりはない」と述べた。

株式公開買い付け(TOB)などで親会社の英ボーダフォンが98%の株式を取得し たボーダフォンは、東証の上場が8月初めごろに廃止になる見込み。これに伴い株式市 場では、残りの株式を英ボーダフォンが買い取るとの思惑が出ているが、こうした点に ついて津田会長は明確なコメントを控えた。

ボーダフォン株の終値は、前日と同じ22万1000円。

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