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ばら積み船運賃が10カ月ぶり安値-中国鉄鉱石在庫・元切り上げ観測も

鉄鉱石や穀物を運ぶ外航ばら積み船のス ポット運賃が10カ月ぶり安値をつけた。中国での鉄鉱石在庫増加や、事実上 の輸入規制が響いている。また、市場関係者からは、人民元の切り上げ観測を 背景にした中国の中期的な競争力低下が運賃低下要因につながるとの指摘も聞 かれる。

ばら積み船の運賃・用船料の指標となるバルチック・ドライ指数は13日、 前日比1.6%安の3770と4日続落し昨年7月8日以来の安値をつけた。昨年 12月に6208という歴史的な高値をつけた後4500前後で推移していたが4月 中旬から大幅な下落局面に入った。

商船三井の安岡正文・鉄鋼原料船部長は、「4月からの鉄鉱石価格急騰を 前に3月の駆け込み輸入から港に在庫が増えているようだ。中国の鉄鉱石輸入 の免許制導入がじわり影響が出ている」と指摘する。

中国商務省は5月1日から輸入が急増している鉄鉱石を対象に輸入免許制 を導入。従来ばらばらに鉄鉱石を輸入していた商社や鉄鋼メーカーの個別輸入 を抑制して価格交渉力の強化と余剰在庫の減少を図っている。

なお商船三井が長期契約を締結している宝山鋼鉄など、「大手鉄鋼メーカ ーの輸入に影響はなく荷動きは堅調に推移しているが中小鉄鋼メーカー・商社 に影響が出ているもよう」(安岡部長)という。

鉄鉱石最大手のブラジル・リオドセやオーストラリアのリオ・ティントと 新日本製鉄やJFEスチール、韓国ポスコ、中国上海宝鋼などは2005年度の 価格交渉が前年度比71.5%と異例の値上げで決着した。

調査会社トランプデータサービスの海老原謙治・代表取締役は、「人民元 の切り上げで中国の製造業拠点としての比較優位が低下するとの観測が中期的 な運賃低下要因となりつつある」と指摘する。荷動きは堅調だが、「需給を反 映した水準からかなりかい離した高水準にあるとの冷静な見方が徐々に浸透し ている。昨年は心理的な先高観測で急騰した反動で心理的な要因で先安感が広 がす可能性がある」と分析する。

バルチック・ドライ指数は2003年3月まで2000以下の水準で推移して いたが鉄鋼石産出国である中国が輸入国に転じた2003年後半から上昇し、 2004年は6000台に上昇した。

バルチック指数は1985年にロンドンで運賃先物取引FFA(フレイト・ フォワード・アグリーメント)が始まった際に運賃指標として英ブローカーの バルチック・エクスチェンジが策定した。大手ブローカー各社が集計した南ア フリカ・欧州など様々な主要航路の運賃を加重平均して算出される。

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