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ドコモ:今期営業益は3.3%増予想、配当倍増へ-前期は29%減益(6)

国内携帯電話最大手NTTドコモは10日、今期 (2006年3月期)の連結営業利益が前期比で3.3%増の8100億円になるとの見通しを 発表した。競争激化で顧客獲得費用が引き続き膨らむものの、前期に発生したPHS (簡易型携帯電話)事業からの撤退に伴う特別損失がなくなることや、償却負担が減る ことなどで増益に転じる。配当は4000円に倍増する。

今期の純利益予想は前期比34%減の4970億円。前期のAT&Tワイヤレス株式売 却益がなくなることで減少する。売上高は同0.8%減の4兆8050億円を予想。売り上 げのかぎを握る「1顧客の平均月間収入」(ARPU)は低下傾向が続き、前期の 7890円から7200円に下落する見込み。新規契約者数も、携帯電話の普及率が68%にま で達して市場が飽和状態に近づきつつあり、伸び悩む。こうしたことが売上高を圧迫す る。

ただ、前期にはPHS事業からの撤退に伴い600億円以上の特別損失が発生してお り、営業利益の水準を押し下げていた。今期はこの損失がなくなる。ドコモは収益動向 について、前期を底にV字回復させる考えを示しており、営業利益はとりあえず前期が 底になる予想だ。

会見した中村維夫社長は業績予想について、「前期に導入した料金割引の影響がフ ルに出てくるだろう」としたうえで、「当社設立以来、右肩上がりで成長してきた携帯 電話市場も、ある程度先が見えてきた。また、新たな収益源を立ち上げるためにもうし ばらく時間が必要で、当初想定よりも収益の回復は緩やかなものになる」と語り、引き 続き収益環境は厳しいとの見方を示した。

一方で、今期は第3世代携帯端末の普及が進むと予想、「今期末には、第2世代と 第3世代の比率が半々ずつに近くなるだろう。今はまさに移行期で、そのための投資や 償却負担などがあるが、それも今年と来年には峠を越すと思う」と述べた。

今期配当、2倍の4000円

2005年3月期の純利益は前の期に比べ15%増の7476億円と、4期連続で過去最高 益を更新。ただ、AT&Tワイヤレスの株式売却益で利益がかさ上げされており、「そ の影響を除くと実質減益」(中村社長)という。競争激化に伴い料金の割引を導入した ことなどで、売上高は同4%減の4兆8446億円と減収になった。

営業利益は同29%減の7842億円。第3世代携帯端末向けの先行投資など経費がか さんだことが響き、初の営業減益となった。FOMA契約数は1150万1000件と、前の 期より3.8倍に増えた。2006年3月期は2410万件を予想している。

アナリストや投資家が注目していた配当は、アナリストの予想通り増配になった。 前期は2000円。クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券の早川仁アナリストは、 期間収益は前期、今期ともに予想通り厳しいと述べた。そのうえで、「(2006年3月 期の)配当が4000円に増配になったのは資本政策の変化であり、高く評価している」 と強調。早川氏は2007年3月期も6000円まで増配されると予想している。

増配が続くことに対し、損保ジャパン・アセットマネジメントの鈴木浩一郎シニア インベストメントマネジャー「増配基調は評価したい。ただ、高配当も減益が続くよう では維持が難しくなるだろう。今後、どの程度減益が下げ止まるかに注目したい」とコ メント。株価は「収益の将来性からすると、現状はやや割高かも知れない」とみている。

ブルームバーグ・ニュースが前期実績から第3四半期までの累計を差し引いて算出 した第4四半期(05年1-3月)の純損益は、89億円の赤字となった。売上高は

1.5%減の1兆2015億円、営業利益は87%減の328億円だった。

ドコモはまた、自己株取得枠として総額4000億円、220万株分を設定、6月21日 の株主総会に付議すると発表した。執行役員制を導入し、取締役の総数を現在の24人 から約半数に減らす方針も決めた。

ドコモ株の終値は、前日比2000円(1.2%)安の17万円。

--共同取材 若尾藍子、森田一成 Editor : Okubo

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