日本の自動車メーカー:鋼板値上げの対応、米国やアジアで価格転嫁も

日本の自動車メーカーは度重なる鋼板価格 の値上げをアジアや米国など日本・欧州以外の国・地域で自動車製品の価格に転 嫁するとの見方が出ている。鋼板価格の値上げは10-20%で最終交渉に入った 見通しと15日付の日本経済新聞朝刊が報じるなど、メーカー各社にとって値上 げは深刻な利益の圧迫要因になっているものの、日本は他国と比べ消費意欲が依 然として低迷しており、価格転嫁が難しいとみられているためだ。

クレディスイス・ファーストボストン(CSFB)証券の遠藤功治アナリス トは「鋼板価格の上昇が続くと、日本の自動車メーカーにとって値上げをしない ことは非常に難しくなる。ただ、値上げができるのは景気が回復している米国や インフレが起きている東南アジアなどの地域になるだろう」と指摘する。

国内の自動車メーカーは世界的な事業拡大に向けて新車種や新規デザインの 自動車製品を投入している。遠藤アナリストによると、自動車に使われる鉄(表 面処理鋼板・冷延鋼板・熱延鋼板・特殊鋼)は、1台当たり平均約1トン(軽自 動車で500キログラム、大型車で1.5トン)、価格にして約10万円(軽自動 車は5万円、大型車で15万円)相当が使用される。すでに前年下期に約5% (約5000円)程度の価格上昇が見られたが、報道の内容が確かであると仮定 すれば、さらに台当たり約1―2万円上乗せされるということになるという。

CSFBでは、鋼板など素材価格の上昇による自動車メーカーの収益に対す る影響について、トヨタ・ホンダ・日産は3-5%程度、スズキは6-9%程度、 富士重工業は12―15%程度、マツダは15―18%程度、トラック各社は20%程 度のコスト上昇要因になると予想している。

日産自のカルロス・ゴーン社長は1月20日の新型車発表の会見で、原材料 価格上昇による影響について「価格が長期にわたり上がり続ければ、顧客に負 担してもらうしかない」と述べている。

トヨタの鈴木武専務は東京証券取引所での決算会見で、「原材料費が予想 以上に高騰している」と言い、通期での原価低減の目標を従来の2000億円から 1700億円に減額したと話した。

一方、マツダの広報部の吉竹勝己氏はこの日のブルームバーグ・ニュース との電話取材で、4回目となる鋼板価格の引き上げが、自動車の販売価格に転嫁 される可能性について「現在のところ、転嫁するつもりはない。コスト削減など により吸収している」と述べた。

この日の自動車株は朝方こそ底堅い場面も見られたが、取引が進むにつれ て下振れの目立つ展開となった。ホンダの株価終値は30円(0.6%)安の 5420円、日産自は13円(1.2%)安の1097円、トヨタは40円(1%)安の 4060円、マツダは2円(0.6%)高の356円だった。

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