ドバイ原油が高値更新:サウジの供給減継続-製油所マージンは低下

アジア向けの指標原油であるドバイ原油は 24日も続伸して3日連続で過去最高値を更新した。アジアの需要増加見通しに加 えて、サウジアラビアがアジア向け出荷を減らしていることなどが影響している とみられる。この一方、国内のガソリンや軽油などの現物価格は低迷。これは原 料と製品との価格差(マージン)が縮小することを意味しており、石油会社にと っては収益確保に向けて製品値上げが必要な状況になっている。

重質系原油であるドバイ原油の24日終値は前日比0.28ドル(0.7%)高 の41.95ドル。市場関係者は、これといった新規の強材料は見当らないとしなが らも、自動車販売の増加などを背景に「アジアの需要は引続き強く、引き締まり 感がある」(兼松エネルギー部の菅栄治部長)ことに加えて、サウジの供給削減 継続などを挙げている。ただ先行きについては、世界の原油需要が4-6月以降 に減少することをにらんで石油輸出国機構(OPEC)がさまざまな対策を打ち 出す可能性があることから「今後のシナリオは読みにくい」(菅部長)という。

サウジは昨年12月、OPECの合意に基づき、アジア向け出荷を8%削減 することを明らかにした。コスモ石油の日下部功・海外部長によると、サウジは 2月以降も出荷削減を通告しており「削減は重質原油が中心になる」と受けとめ ている。

軽質原油である米国産WTI原油とドバイ原油との価格差は24日時点で

8.79ドル。昨年12月以降の価格差はおおむね8-10ドルの間で落ち着いてい る。

石油マージンは低下続く

ドバイ原油が高値を更新した一方で、国内のガソリンなど主要石油製品の業 者間現物価格(リム価格)はいずれも高値からは一服している。シンガポール市 場でもガソリンが昨年来高値を更新しているものの、ナフサやジェットケロシン などは高値を更新していない。ブルームバーグ・データによると、ドバイ原油と 業者間石油現物価格、スポット海上運賃を用いた製油所マージンの概算値(石油 石炭税2040円を含む)は、24日時点でキロリットル当たり4699円。昨年10 月には1万円台を付けたが、11月後半からは低下傾向が続いている。

みずほインベスターズ証券の河内宏文アナリストは最新リポートのなかで、 ガソリン在庫が昨年の最高水準を上回っていることを指摘。低硫黄製品(サルフ ァーフリー)の供給開始に伴う需給ひっ迫懸念は残るものの、こうした在庫増加 をきっかけに「需給ひっ迫によるマージン改善・高止まりというシナリオが成立 しない可能性も高まっている」との見方を示した。

石油連盟発表のガソリン在庫は19日時点で242.7万キロリットル。月末時 点の在庫比較では、少なくとも過去2年間で最高となっている。

2月の原油コストは2000円増加-3月の製品値上げ

石油会社にとって、マージンの低下はマイナス要因。ただ原油に見合う形で 石油製品や石化原料の価格があとから上昇すれば、収益を確保できる。またパラ キシレンやベンゼンといった石化原料の価格は反発基調が続いているため、マイ ナス部分を補うことができそうだ。

ドバイ原油の2月平均価格(1月25日-2月24日)はキロリットル当た り2万5981円で、1月平均価格比では約2000円高い。このため28日に新日本 石油などが発表する3月の石油製品価格も2000円前後の値上げになるとみられ る。

新日本石油の株価は前日比5円(0.7%)高の772円、東燃ゼネラル石油は 同5円(0.5%)高の1053円、昭和シェル石油は同13円(1.3%)高の1034 円(午前9時09分現在)。

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