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ボーダフォン:地域と端末で巻き返し策-日本市場「30年居続ける」(3)

携帯電話国内3位ボーダフォンは、通話可能地 域(カバレッジ)の拡大と端末の品ぞろえ強化を中心とする事業計画を策定する。 日本市場の主戦場である第3世代携帯電話(3G)でこの点を中心にライバルのN TTドコモとKDDIに遅れを取っていると判断、取り組みを明確にすることでて こ入れを目指す。津田志郎社長(59)がインタビューで明らかにした。

昨年12月に就任した津田社長は、日本市場の競争が第3世代携帯電話で繰り広 げられるとの現状認識を示したうえで、この分野で「ボーダフォンは遅れを取った。 カバレッジであり、ハンドセットである」と述べ、この2点について強化する方向 性を示した。ドコモ出身の津田社長は、ドコモで第2世代から第3世代への移行を 主導しており、競争上この部分を克服する必要性を痛感している。

通話人口カバー率は公称で現在99%台の後半だが、室内や地下といったところ で改善の余地は大きい。こうしたボーダフォンの弱点の克服策について津田社長は、 4月に就任するモロー社長(津田社長は会長に)とともに詰める意思を示した。概 要については年内にも明らかになる見通しだ。

ボーダフォンに残された時間は多くはない。昨年6月のグリーン社長の突然の 退任から始まり1年弱で3人も社長が変わる異常事態に社内の動揺は隠せない。こ の間ライバルのドコモとKDDIは2006年の「ナンバーポータビリティ」(事業者 を変えても電話番号が変わらない制度)導入を控えて着実に足場を固めている。

当面の対応としては、競合他社が採用している電子マネー「エディ」や音楽を まるごとダウンロードして再生することが可能な機能といった、顧客にニーズがあ る機能について一部の端末に載せることを考えている。同時に第3世代移行までの つなぎとして、第2世代携帯電話にも注力する。

サリンCEO「日本市場には10年、20年、30年はいる」

親会社の英ボーダフォンは15日までの2日間、東京で取締役会を開催した。英 国外での全員出席の役員会は初。津田社長によると、アルン・サリーン最高経営責 任者(CEO)はこの場で「日本市場には10年、20年、30年は居続ける」と語り、 一部で取り沙汰されている日本事業の他社への売却といった憶測を打ち消した。

日本市場は世界のなかで大きなマーケットで、携帯電話事業では最先端を進ん でいる。津田社長は、日本市場での成果をボーダフォンの欧州各拠点に生かすこと は有用としている。そのうえで英ボーダフォンの日本拠点の位置付けについて「重 視してもらっている」と述べ、その証しがUK社長のモロー氏が社長に就任するこ とであると強調した。

携帯電話事業への参入を表明しているソフトバンクをめぐって、要望する周波 数の獲得が難しいとの見方からボーダフォンと資本提携をするとの見方が昨秋から 浮上している。

こうしたなか英ボーダフォン傘下の旧日本テレコムホールディング社長時に、 固定電話部門をリップルウッドホールディングスに売却したモロー氏の社長就任が 明らかになった。一部のアナリストの間では、ソフトバンクがボーダフォンの日本 拠点を買収するのは事業参入の選択肢になるとの見方が強まっている。

こうした声に対して津田社長は、自らの希望でモロー氏を社長に招き入れるこ とから「私自身はそうした見方をされるとモローさんに申し訳ない」と述べた。

ソフトバンクについては、KDDI子会社の「ツーカー」を買収すると報じら れたこともあった。ツーカーについてはKDDIが売却するという選択肢を排除し ないとの立場を示している。ボーダフォンがツーカーに興味を示すかどうかについ て津田社長は「ツーカーの持つ電波やインフラをどうするか、その将来の絵がない と難しい」と述べた。

モルガン・スタンレー証券の田中宏典アナリストは、ボーダフォンの日本事業 について「4月からの新体制ではまず加入者を増やすことが先決であり、エリアや 端末を充実させるのはもちろんのこと独自のサービスを提供することが不可欠」と 指摘した。

楽曲まるごとダウンロードや「エディ」はKDDIやドコモの二番煎じであり、 「『写メール』に続くような、日本人の嗜好に合った顧客にうけるサービスを生み 出すことが復活には必要」と分析した。

ボーダフォン株は前日比1000円(0.4%)高の28万3000円(午後1時現在)。

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