コンテンツにスキップする

博報堂DY株まだ買えるのか、ネット広告がカギ-上場初値7360円(2)

国内第2位の広告代理店、博報堂DYホ ールディングスは16日、東京証券取引所第1部に新規株式公開(IPO)した。 初値は公開価格に対して13%高の7360円となった。株式の売出総額は272億 8895万円で、今年初の大型上場となる。売出株数は419万8300株。主幹事は 日興シティグループ証券。

博報堂株は同日、売出価格の6500円、約53万株で買い気配スタート。 その後も買い気配をゆっくりと切り上げ、午前9時半過ぎに7360円で売買取引 が成立した。その後、午前10時40分に高値7530円を付け、前場は7410円 で取引を終えた。出来高は約382万株。

同社は2003年10月に博報堂と大広、読売広告社が経営統合し、3社の 共同持ち株会社として設立された。04年3月期の売上高には、テレビや新聞な どマスメディア関係の広告の取り扱いが約6割を占めており、特にテレビ向けが 約4割と比率が高い。

目先の株価は底堅い展開

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、当面の株価動向について、広告 収入増加などを背景に各テレビ局の第3四半期決算が上向いていることから「足 元の広告業界は上向いている」と述べ、「株式相場は小型株を売って大型株を買 う流れもあり、株価にとっては良い環境にある」という。

また、エース証券の河合達憲ストラテジストも、「今後1カ月間は東証1 部直接上場銘柄ということで、平均株価指数に連動したインデックスファンドが 自動的に買ってくることが予想される」とし、「下値は堅い展開になる」と指摘 する。

こうした環境を受けて、投資家からは「知名度もあり、投資対象としては 魅力的。ブックビルディング(需要の積み上げ期間)にも入札したが、下げる場 面があれば買い増したい」(ポーラスター投資顧問の野中茂美会長)などとの声 が出ている。

長期的にはインターネット広告がカギ

ただ、博報堂DYの今期連結予想PER(株価収益率)は、初値で約28 倍。同業他社で電通の約28倍、アサツー ディ・ケイの約27倍と比較し、割 安感はない。長期的な株価上昇を期待するなら、一層の業績成長が必要だ。

BNPパリバ証券株式営業部の田島健コンサルタントは、国内広告市場の 見通しについて「テレビ広告市場は2兆円程度あるが、基本的には成熟産業とみ ている」という。広告代理店の今後の経営戦略としては「巨大市場のテレビ広告 に軸足を置きつつも、新規市場のインターネット広告市場をいかに開拓していく かがカギになる」と指摘する。同社の04年3月期のインターネット広告売上高 は70億7500万円。売上高全体に占める割合が0.7%と、まだ小粒だ。

同社の池田諸苗広報室長代理は、事前のブルームバーグ・ニュースの電話 取材に対し、上場目的について「上場前なので詳しくは話せない」としながらも、 「ビジネスのデジタル化に備えて資金調達の手段を確保するため」と述べている。 同社のインターネット広告に対する今後の経営戦略が1つの焦点になりそうだ。

同社が2月16日に発表した2005年3月期の業績予想によると、連結売 上高は前期比18%増の1兆700億円、経常利益が同15.5%増の208億円、純 利益は同40.6%増の100億円の見通し。1株当たり純利益は257.36円を予 想している。

<社長の略歴> 宮川智雄氏:1936年生まれ。1958年早大法卒、博報堂入社。1986年取締役、 1990年専務、1998年副社長を経て、2000年社長に就任。2003年博報堂DY ホールディングスの設立と同時に社長就任。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE