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NTTドコモ:回復予想「瀬戸際」、収入源確保に時間-平田副社長(3)

携帯電話国内最大手NTTドコモの業績回復 予想が瀬戸際にさしかかっている。音声通信の減少傾向が続くなか、電子メールと いったデータ通信を拡大させる基盤の確保に予想以上に時間がかかっているのが背 景。設立以来初の減収減益予想を立てた今期に続き、来期も減益に陥る可能性を指 摘する声も浮上し始めた。携帯電話のガリバー企業は成長の壁に突き当たっている。

ドコモは本業の儲けを示す営業利益について、今期(2005年3月期)は8300 億円、前期比で25%減と予想している。料金割引の拡大や端末販売費の増加が利 益を圧迫する。そのうえで収益について今期を底に「V字回復」させ、来期(2006 年3月期)以降数年で、過去最高だった前期の水準に戻すと表明している。

これに対しドコモの平田正之副社長(57)は都内本社でのインタビューで「思 っていたより業績回復に時間がかかりそうだ」と述べた。利益のけん引役として期 待するテレビ電話や電子マネーの利用増によるデータ通信拡大が思わしくない。今 期が収益の底かどうかも来期の動向に関係するため「いまは言及できない」と答え るにとどめた。

ドコモ自身が、来期以降の業績回復について、その実現性低下を認めるのは初 めて。テレビ電話は、通信手段としてあまり使わないという習慣を顧客に改めても らうのに時間が必要、電子マネーも、対応端末が1000万台になる(現在は150万 台程度)のが普及に必要で、これには来期いっぱいはかかるとしている。

「ナンバーポータビリティ」(事業者を変えても電話番号が変わらない番号持ち 運び制度)の2006年導入を控え、顧客数が多いドコモはより顧客流出のリスクが 大きい。これに備えた顧客引き止め策が当面の収益を圧迫する構造になっている。

アナリスト、来期営業利益ほぼ横ばい予想

ゴールドマン・サックス証券の安藤義夫アナリストは、データ通信の低迷によ る「1加入者当たりの平均月間収入」(ARPU)の低下は必至として、ドコモの 来期の収益について「減益の確度は高まっている」とのリポートを作成した。

ドコモのARPUは昨年10-12月期で7170円と、国内2位KDDIの水準 (7190円)を初めて下回った。前年同期での下落幅はKDDIの2倍以上。来期 のARPUについては「KDDIがドコモを上回るという傾向が鮮明になる」(U FJつばさ証券の佐分博信アナリスト)との見方が有力だ。

ブルームバーグ・ニュースがアナリスト10人の予想を集計したところ、ドコ モの今期営業利益の予想中央値は前期比22%減の8580億円。会社予想の8300億 円はやや上回る。来期の営業利益の予想中央値は8565億円と今期予想比で0.2% 減とほぼ横ばいを予想している。

アナリストでも強気派や弱気派があり、予想も分かれているが、少なくとも来 期の大幅な収益回復を予想する声は多くない。ドコモの株価もこうした見方を反映 する格好で、昨年来からの安値水準で推移している。

昨年6月の段階でドコモの来期収益はほぼ横ばいと予想していたUBS証券の 乾牧夫アナリストは、10-12月期決算を受けた1月末のリポートで「復活や底打 ち感が伝わってくる内容とは程遠い」と指摘した。そのうえでドコモの投資評価を 「Reduce」(売り)、想定株価は15万1000円という水準を維持している。

ドコモ株のは、前日比2000円(1.1%)安の18万1000円(午後1時38分)。

【今期と来期のアナリスト予想】(単位:億円、前期実績比%、今期予想比%)

売上高 営業利益 税引き前利益 純利益 <今期> 予想中央値 48366(-4.2) 8580(-22.2) 13434(+22.0) 7786(+19.8) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― UBS証券 48200(-4.5) 8300(-24.7) 13160(+19.5) 7580(+16.6) 日興シティ 48359(-4.2) 8380(-24.0) 13246(+20.3) 7683(+18.2) ゴールドマン 49001(-2.9) 8459(-23.3) 13352(+21.3) 7694(+18.4) UFJつばさ 48373(-4.2) 8504(-22.9) 13344(+21.2) 7636(+17.5) 野村証券 48090(-4.7) 8560(-22.4) 13550(+23.1) 7860(+20.9) みずほ証券 48051(-4.8) 8600(-22.0) 13448(+22.1) 7791(+19.9) メリルリンチ 48577(-3.8) 8623(-21.8) 13504(+22.6) 7793(+19.9) 大和総研 48800(-3.3) 8780(-20.4) 13690(+24.3) 7830(+20.5) CSFB 48400(-4.1) 8870(-19.5) 13690(+24.3) 7870(+21.1) JPモルガン 47920(-5.1) 9190(-16.7) 13420(+21.9) 7780(+19.7) (会社予想) 48200(-4.5) 8300(-24.7) 13160(+19.5) 7580(+16.6)

<来期> 予想中央値 48070(-0.6) 8565(-0.17) 8539(-36.4) 5047(-35.2) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― UBS証券 47688(-1.1) 8300(± 0) 8316(-36.8) 4789(-36.8) 日興シティ 47813(-1.1) 8607(+ 2.7) 8507(-35.8) 4934(-35.8) ゴールドマン 49004(± 0) 8161(- 3.5) 7998(-40.1) 4783(-37.8) UFJつばさ 48240(-0.3) 8259(- 2.9) 8209(-38.5) 4811(-37.0) 野村証券 47900(-0.4) 8490(- 0.8) 8460(-37.6) 4900(-37.7) みずほ証券 46411(-3.4) 9250(+ 7.6) 9191(-31.7) 5331(-31.6) メリルリンチ 47680(-1.8) 8522(- 1.2) 8571(-36.5) 5271(-32.4) 大和総研 48700(-0.2) 8890(+ 1.3) 8900(-35.0) 5160(-34.1) CSFB 49830(+3.0) 9370(+ 5.6) 9380(-31.5) 5390(-31.5) JPモルガン 49630(+3.6) 9570(+ 4.2) 9440(-29.7) 5470(-29.7)

--共同取材 東京 小笹俊一 Editor : Murotani、Okubo

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