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ソフバンク:参入に「電波障害」、携帯事業-要望周波数の獲得困難(2)

総合通信会社を目指すソフトバンクの携帯電話参入 計画に「電波障害」が発生している。要望している800メガヘルツ(MHz)帯の周波数 (電波)について、許認可権を持つ総務省の研究会ではこの日、ソフトバンクへの割り 当ては難しいなどとする見解が大勢を占めた。

ソフトバンクは携帯電話事業で、効率のいい800 MHzを基本波、1.7ギガヘルツ (GHz)を補助波としてマルチバンド(2つの周波数を受けられる)方式を採用するこ とを計画している。参入予定時期は2007年。この手続きとして昨年12月に800 MHz で無線局を開設する免許を総務省に申請した。

これに対して総務省の「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」(座長:土 居範久・中央大学教授)は3日、昨年10月からの議論をまとめる最後の会合を開いた。

これまでの会合ではソフトバンクが800 MHzの獲得を要望したのに対し、NTT ドコモとKDDIやボーダフォンのほか、イー・アクセスといった新規参入希望者も、 新規事業者に800 MHzの割り当ては困難とした。研究会の委員からも2012年度まで は800 MHzの再配分は難しいとする意見が出た。

総務省はこの研究会の報告を踏まえて省としての周波数割り当て方針を策定する。 当初から新規事業者に1.7GHzを割り当てるとしていた総務省の案が、研究会の報告書 に沿ったものになることは確実だ。

ソフトバンクの孫社長「次のアクション」

会合に傍聴人として参加したソフトバンクの孫正義社長は会合後、「検討会では意 見が分かれており、総務省が一方の有利になるような結論を下すならばアンフェア」と 述べた。そのうえで「免許を付与する段階で次のアクションを起こす」と述べ、800 MHzの無線局免許申請が実質的に却下された段階で、総務省を提訴することを検討して いることを明らかにした。

ただ、行政訴訟を起こしても時間がかかるうえ、800 MHzの配分がないという結 果になる可能性がある。この場合は携帯電話事業の計画再考を迫られる。孫社長は、投 資額が膨らむ分を電波使用料で調整すべきという考えも示している。1.7GHzのみで事 業を進めると基地局といった設備投資が1000億円規模で増えることになる。

携帯電話周波数の800 MHzは現在NTTドコモとKDDIが使用しており、効率 化の一環で2012年に向けて整理・再編する。ソフトバンクはこの再編の過程で新規事 業者への配分を求め具体案も示していた。携帯電話事業はイー・アクセスも1.7GHzで の参入を表明している。総務省の研究会では、新規事業者2社に1.7 GHzを2006年 度から割り当てるといった意見が出ている。

買収

ソフトバンクは携帯電話事業のために、第2世代携帯電話のツーカー買収について 親会社のKDDIに2000億円を提示したと報じられた。この点について孫社長は以前、 うわさにはコメントしないとしたうえで、携帯電話は「第3世代携帯電話を自身の設備 と資金で手掛けるのが本命」と語っていた。同時にそのステップとしてツーカーを買収 する可能性があるかどうかについては「価格などがあるが、何でもあり得る」と述べ、 全面的に否定はしなかった。

ツーカーについてはKDDIの小野寺正社長が、売却を選択肢とする方針は維持す るとしながら「すぐ売らなければならないことはない」と述べている。また、2000億 円という水準については「とんでもない」と語り、売却額として安過ぎるとの認識を示 していた。

クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券の早川仁アナリストは、ソフトバン クの携帯電話事業に向けた今後について、総務省を提訴して800 MHzの獲得を目指す、 または1.7GHzで2007年春ごろの参入を目指す、という選択肢があり得ると予想した。

同時に早期の事業参入を重視するなら、「顧客と設備を一気に確保できることから、 ボーダフォンを買収するという方法は有効である」と予想した。ツーカー買収について は、KDDI側が売らないといった理由から「可能性は低い」と指摘した。

ソフトバンクの株価は、前日比20円(0.4%)安の4870円(午後2時32分)。

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