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ドコモ:10-12月営業利益19%減、割引拡大や販売費-通期予想維持(5)

携帯電話国内最大手NTTドコモの第3四半 期(10-12月)の連結決算は、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比で19%減 少した。料金割引の拡大で売上高が落ち込み、端末のインセンティブ(販売奨励 金)も膨らんで利益を圧迫した。

第3四半期の営業利益は2060億円(前年同期は2529億円)に減った。連結売 上高は前年同期比7.8%減の1兆1911億円になり、減収減益決算になった。この 期間の収益は会社発表の3四半期累計(4-12月)の数値から中間期を差し引い てブルームバーグ・ニュースが算出した。

ドコモはライバル対策などから「ファミリー(家族)割引」の制度を導入して おり、昨年10月からは家族内メールを無料にしている。これにより「1加入者当 たりの平均月間収入」(ARPU)が落ち込み、売り上げが落ち込んだ。契約者の 純増数もKDDIに及ばなかった。

10-12月のARPUは主力の第3世代携帯電話(3G)「FOMA(フォー マ)が9650円(前年同期は1万270円)、第2世代携帯電話「mova(ムー バ)」は6710円(同7730円)になった。この間の新規契約者数は55万1900人 (前年同期は32万4400台)だった。

純利益は前年同期比3.1倍の4214億円だった。大幅な利益拡大はAT&Tワ イヤレスの売却益5018億円を営業外収益に計上したことが要因。

ドコモが発表した3四半期累計(4-12月)の純利益は前年同期比6%減の 3352億円、営業利益は7.6%減の5454億円、売上高は3.3%減の2兆4520億円に なった。

しんきんアセットマネジメントの藤原直樹・運用部主任ファンドマネジャーは、 ドコモについて、第3世代携帯電話(3G)でのシェアを伸ばしているが、その分 コストがかかっていると現状を分析した。先行きについても「あまり明るくない。 ドコモというより業態として停滞し、ソフトバンクも参入してくる」と述べた。

1-3月期の営業利益は急減

今期(2005年3月期)の連結純利益は7580億円と従来予想(7580億円)を維 持した。営業利益の予想も8300億円(同8300億円)と予想を据え置いた。第4四 半期(1-3月期)の営業利益は800億円弱になる計算になる。第3四半期からは 1300億円程度減少する。

この背景について記者会見したドコモの平田正之・副社長は、料金割引拡大の 影響で400億円、期末に端末が売れることによる販売経費増で300億円、設備投資 の償却費増で300億円、物件費などで300億円という内訳を語った。

四半期別の営業利益は第1四半期から順に2766億円、2688億円、2060億円、 800億円弱(見込み)と急落している。収益環境が厳しいなかで、すでに表明して いる来期(2006年3月期)のV字回復について平田副社長は「回復を目指して着 実にチャレンジしていきたい」と述べるにとどめた。

ドコモの今後についてポーラースター投資顧問の野中茂美会長は「当面、苦戦 する状況が続くとみている」と予想した。ナンバーポータビリティ(事業者を変え て電話番号が変わらない番号持ち運び制度)が導入されれば顧客が流出するとみて いる。野中会長は「これまでのところは市場シェアを維持してきたが、それが脅か され始めている」と指摘した。この制度は2006年半ばに導入される見通し。

また、富国生命の桜井祐記・財務企画部長は「ドコモはソニーと同じように過 去のブランド、というところがある」と厳しい見方を示した。従来はドコモが日本 の基準をつくり他社が追いかけてきたことで、ドコモは「楽をしてきた面がある」 と厳しい評価を下している。

ドコモ株の終値は、前日比4000円(2.3%)高の18万1000円。

--共同取材 東京 鈴木恭子、山崎朝子、若尾藍子 Editor : Murotani

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