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カーライルなど内外投資会社、課税強化の税制改正に反対を表明(2)

米カーライル・グループやユニゾン・キャピ タル(東京・千代田区)など国内外の投資会社が9社連名で、国際課税の見直し などを盛り込んだ2005年度の税制改正に対し、反対意見書を財務省に提出して いたことが26日、明らかになった。

05年度の税制改正に盛り込まれた国際課税の見直しでは、日本に投資して いる海外投資家に対し、課税を強化する方向だ。ブルームバーグ・ニュースが入 手した反対意見書によると、カーライルなど9社は、この改正により、海外から の投資意欲が減退するばかりでなく、国際資本市場で日本への信頼が低下すると 懸念を表明している。

クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券の市川眞一ストラテジストは、 21日付のリポートで「外資系プライベート・エクイティ・ファンドの投資回収 が加速しつつある」と指摘し、「日本の企業再生ビジネスが転換期を迎えている ことが要因と考えられるが、それだけでなく、05年度税制改正も影響している 可能性は否定できない」という。

この反対意見書は、非居住者などが民法組合などを通じて、日本で株式投資 を行なった場合の譲渡所得に、源泉徴収制度を創設することなどを問題として取 り挙げている。「海外投資家の投資ファンドを通じた所得に対する課税強化の動 き」は、対日直接投資残高の増加をうたう小泉内閣の方針に対抗するもので、「政 策的な矛盾に他ならない」と指摘している。

この反対意見書は14日付で、カーライルとユニゾンのほか、アドバンテッ ジ・パートナーズ、イースト・ポイント・キャピタル・マネジメント、グロービ ス・キャピタル・パートナーズ、JPモルガン・パートナーズ・アジア、MKS コンサルティング、日興アントファクトリー、ウォーバーグ・ピンカス(ジャパ ン)リミテッドの代表者が署名し、財務省の福田進・主税局長宛てとなっている。

投資資金を回収する動き

この反対意見書は、国内機関投資家の負担増についても指摘している。今回 の税制改正を契機に、海外の政府が同様の対抗手段を取った場合、国内投資家に よる海外投資への負担が増すことになる。ファンドなどを通じて海外に投資する 日本の機関投資家は、原則的に譲渡益課税を日本のみで納税しているのが現状だ という。

クレディ・スイスの市川ストラテジストは、課税強化の狙いは、公平性の 担保や、国内で発生した所得に対する税の国外流出を食い止めることにあるとみ ている。また、こうした課税強化により、海外の投資ファンドが当面、投資回収 の動きを継続する可能性があるという。

カーライルは24日、2002年2月に買収したアサヒセキュリティの保有株式 を豊田自動織機に売却すると発表した。また、米リップルウッドホールディング スを中心とする投資組合は、2月に新生銀行の株式約4億6000万株を、国内外 で売り出す予定だ。リップルなどは、新生銀の株式売り出しにより、当初投資額 の4倍以上を回収することになる。

--共同取材:Jag Dhaliwall Editor:Asai

浅井 秀樹 Hideki Asai (813)3201-8380 hasai@bloomberg.net

Bill Austin (813)3201-8952 billaustin@bloomberg.net

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