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フジテレビ:ニッポン放送を公開買付-最大1705億円で全株取得へ(5)

民放国内最大手のフジテレビジョンは17日、 株式公開買い付け(TOB)で同社筆頭株主ニッポン放送の株式を買い増すと発表 した。経営権の取得を目的に最低で過半数超、最大では1705億円を投じて発行済 み株式のすべてを取得することを目指す。フジサンケイグループのテレビ、ラジオ の中核として資本を一体化、機動的で効率的な経営体制を確立させる。

TOBは1株5950円で実施する。これはニッポン放送株の17日終値に比べ て400円、率にして7.2%高い価格。過去3カ月の平均と比べると約20%高い水 準になる。買い付け期間は1月18日から2月21日。フジテレビは現在、ニッポン 放送株式の12.4%を保有している。TOBによりこの持ち株比率を最低で50%超、 最大では100%に引き上げる。

持ち株比率を50%超にするのに必要な資金は734億円。フジテレビは持ち株 比率が50%超になる場合は、応募する全株式を買い付ける。フジテレビはニッポン 放送の経営権取得を「新経営体制への第一ステップで、将来は当社を中核とするグ ループ経営体制の構築を目指す」としている。TOBの代理人は大和証券SMBC。

フジテレビは今回のTOBに必要な資金の一部として800億円の転換社債型 新株予約権付き社債(CB)を発行する。払込(発行)日は2005年2月25日、 償還(資金返済)日は2007年2月23日、利率(クーポン)はつけない。全額を 大和証券SMBCに割り当てる予定。手取り資金は799億円になる。

ニッポン放送は親会社としてフジテレビの発行済み株式の22.5%を保有して いる。ただ、売上高といった企業規模や時価総額は子会社フジテレビがニッポン放 送を大きく上回っている。今回TOBが成功するとフジテレビが親会社、ニッポン 放送が子会社という関係になる。

エム・エー・シー村上氏、「歓迎すべきこと」

ニッポン放送の筆頭株主は現在、元通産官僚の村上世彰氏が出資する投資会社 のエム・エー・シー。その村上氏は2003年夏から、ニッポン放送が保有するフジ テレビの株式の価値が、ニッポン放送自信の時価総額を上回るといった「株式価値 の逆転現象」を指摘し、両社の統合や持株会社設立などといった方法でゆがみを是 正するかまたは、株主に含み益を還元するよう提案していた。

村上氏は、今回のフジテレビのTOBについて「グループの資本構造を変える 機会が株主に与えられた」と評価した。そのうえで、株主としてTOBに応じるか 応じないかの選択肢が与えられたことで「歓迎すべきことと考える」と述べた。

フジテレビの日枝久会長は同日夕の会見で、今回のTOBの決定に対する村上 氏の影響について「村上氏の動きについては十分、垣間見てきた。今回の決定はむ しろ、放送業界の激動期に選択と集中をしないと飲み込まれてしまうと考えたから だ」と述べ、明確には認めなかった。

ニッポン放送もこの日、フジテレビのTOBに賛同することを決定したと発表 。同社の亀渕昭信社長は会見で「メディア事業の資本が安定していないということ は良いことではない。現に村上ファンドの問題を抱えてきた。単なる資本調整のた めだけでなく、競争に勝つために必要なものだ。今後、商法の改正もあり、今やら なければ手遅れになる」と語った。

株価終値はフジテレビが前日と同じ22万6000円、ニッポン放送は同5550 円。

--共同取材 東京 日向貴彦 Editor : Murotani

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