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ミサワ:トヨタ主導で経営再建へ、金融支援1400億円-機構を活用(5)

UFJ銀行の大口融資先で経営再建中の ミサワホームホールディングス(HD)は28日、産業再生機構から再建を支援 する通知を受けたと発表した。総額1400億円の金融支援と住宅事業を中心とす る本業に特化することが再建策の柱。そのうえでトヨタ自動車が第三者と共同で

33.4%を出資、経営首脳も派遣することで再建を確実なものにする。

ミサワは28日の取締役会で再生機構に対して支援を要請することを決議。 再生機構も同日付で支援を決定した。再生機構は、財務の健全化を急ぐため主力 取引行のUFJグループなど金融機関に対して債権放棄で1200億円、債権株式 化で200億円の支援を要請する。

トヨタは単独での出資比率を「10%をめどに調整する」(広報室の藤井英 樹氏)方針。出資比率はミサワブランドを尊重して最小限に抑える。資本参加は 今期(2005年3月)末までに最終合意できるように交渉、来期(2006年3月 期)第1四半期の出資を目指す。

トヨタの住宅部門トヨタホームは現在、業界10位。同3位のミサワと手 を組むことで事業拡大を図り、一気に大手の仲間入りを目指す。

普通株99%減資、10株を1株に併合-優先株減資含めて2480億円支援

ミサワは再建に伴い、ゴルフ事業やファイナンス事業といったノンコア事 業から撤退する。固定資産の原則会計なども含めて今期に2180億円の特別損失 を計上、純損益が2168億円の赤字(従来予想は5億5000万円の黒字)に達す る。このため、今期末で債務超過に陥る見込み。

この欠損金を補填するため、来期に優先株は80%を減資、払い込み金額 1080億円相当を消却するほか、普通株式は約99%を減資(10株を1株に併 合)する予定。金融機関の支援は優先株減資を含めて2480億円に達する。こう した支援とトヨタの資本参加を含めて来期末には債務超過を解消する計画だ。ま た2005年6月に予定している株主総会で新経営陣に交代する方針とした。

3年間で6%増収16%営業増益

債権放棄や減資のほかに、事業売却や資産売却も実施。2004年3月期末 に2963億円あった連結有利子負債残高を2008年3月期までに1000億円に圧 縮する計画だ。一連の施策により2008年3月期の連結業績は、売上高が4149 億円、営業利益が253億円になる見通し。05年3月期は、連結売上高が3923 億円、営業利益が187億円の予想で、今後3年間で6%の増収、16%の営業増 益を図る。

ミサワは1980年代半ばからゴルフ場開発やファイナンス事業などへの多 角化を模索したにもかかわらず、90年代初頭のバブル崩壊で、多額の不良資産 と過剰債務を抱えた。財務リストラを加速させるため、UFJから過去2回にわ たって総額1700億円の金融支援を受けたが本業の住宅・アパート事業も少子高 齢化で停滞した。

今回、再生機構の下で経営再建を図ることになった企業は、ミサワホーム を含む連結子会社62社と、持ち分法適用関連会社3社。

住宅事業特化がポイント

クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券株式調査部で不動産・住宅 業界などを担当する大谷洋司シニアアナリストは、ミサワの経営再建について、 「住宅事業に特化できるかどうかが最大のポイント」とみている。

住宅メーカーとしてのミサワは「ブランドイメージは壊れてはおらず、製 品自体への信頼度も高い」と評価している。このためミサワが住宅だけに専念で きれば、業績や企業ブランドの「リカバーも早い」という。

ただトヨタホームとの住宅事業での相乗効果に関して、大谷氏は「工法が まったく違うため、営業・販売面でのシナジー効果はほとんどない」と指摘した。

一方、J.P.モルガン証券で自動車業界を担当する川原英司アナリスト 「ミサワの販売網を活用することで損益トントンと見込まれるトヨタホームの採 算が改善するのであればポジティブ」と予想、相乗効果に期待を寄せている。

いずれにしても今回の支援計画は「トヨタが信用を補完するという面ではミ サワにはポジティブ」(CSFB証券の大谷アナリスト)とみられているようだ。

ミサワの株価終値は、前日比1円(0.4%)高の273円。

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