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「ソフトバンクホークス」:プロ野球参入決定-「新規参入」1つ完了(4)

プロ野球界の最高意思決定機関、プロ野球オ ーナ会議(議長:滝鼻卓雄・読売ジャイアンツオーナー)は24日、ソフトバンクの 来季からのプロ野球参入を承認した。財務体質や球団保有の姿勢について各オーナ ーから異論は出なかった。ダイエーホークスを買収するソフトバンクはパ・リーグ に参加、得意のIT(情報技術)を駆使して球界の改革に挑む。

オーナー会議終了後に滝鼻議長が記者会見をした。オーナー会議傘下のプロ野 球実行委員会は6日にソフトバンクの孫正義社長に事業参入についてヒアリング (聞き取り)を実施、20日の会合で参入を決定しており、これが正式に認められた ことになる。

ソフトバンクは全額出資で「福岡ソフトバンクホークス」(Fukuoka SoftBank Hawks Baseball Club)を設立、ダイエーホークスの株式を保有する。新球団名もこ の名称とする。また、チケット・グッズの販売権や放映権といった興行権を持つ 「福岡ソフトバンクホークス・マーケティング」も全額出資で設立する。

ソフトバンクは先月末、ダイエーから「ダイエーホークス」球団の株式を50億 円で買い取り、興行権は米投資会社コロニー・キャピタルから150億円で取得する と発表した。コロニーが持つ「福岡ドーム球場」は、30年間の使用料として年間48 億円を支払う。

経営再建を進めるダイエーが産業再生機構に支援要請を決めた直後の10月18 日、ソフトバンクの孫社長はホークス買収に名乗りを上げた。それからわずか2カ 月余りで来季の参入が決まった。事前に全11球団のオーナーを訪問して野球への思 いを語るなど孫社長の行動力もものを言い、球団の立ち上げから取り組んだ楽天よ りもスムーズな参入承認になった。

2つの新規参入

これで来季のパ・リーグは6球団中、ソフトバンクと楽天の2球団が新規参入 になる。楽天は50年ぶりの新球団設立による参入になる。ともにIT企業の代表格 でインターネットを通じたチケット販売の拡大といった取り組みで、旧態依然とし た球界に新しい風を吹かせることを目指す。

ソフトバンクはホークスの王貞治監督に全権を委任、王監督はゼネラル・マネ ジャー(GM)も兼務して新球団の編成にかかわることになる。同時にソフトバン クにとっては、現在取り組んでいる2つの新規参入(プロ野球と携帯電話事業)の うちプロ野球の方が実現したことになる。

プロ野球参入も直接的な狙いは、ブランド浸透とブロードバンド(高速大容量 通信)コンテンツ(情報の中味)の確保。宣伝・広告費の大幅な削減が可能になり、 通信事業の顧客をより効率的に獲得できることになる。すでに固定電話サービス 「おとくライン」のサービスを月初から開始しており、総合通信企業への体制を固 めつつある。

もう1つの新規参入である携帯電話事業については、事業に必要な周波数につ いて総務省が2005年1月11日に研究会を開催する。この場でソフトバンクの周波 数の扱いについて方向性が示される可能性がある。

球界「変革の一年」

今季のプロ野球界は「大阪近鉄バファローズ」と「オリックス・ブルーウェー ブ」の合併が6月に表面化、「もう1つの合併」や1リーグ10球団制、2リーグ 11球団制も取り沙汰された。球団合併や球団数をめぐり労働組合・日本プロ野球選 手会は史上初のストライキを実行した。さらに新人スカウトの金銭問題で巨人の渡 辺恒雄オーナー、横浜の砂原幸雄オーナーが辞任、西武の堤義明オーナーも保有す るコクドの西武鉄道への持ち株比率をめぐる問題で辞任した。

こうした激震が走ったなかで楽天に続きソフトバンクの新規参入も認められた ことで、球界はひとまず落ち着きを取り戻し、2005年の来季に向けて新たなスター トを切ることになる。

オーナー会議後に記者会見した小池唯夫パ・リーグ会長は、「今季はパ・リー グを中心に激動があったが、楽天に続いてソフトバンクの参入が決定した。紆余曲 折があったが6球団になり、交流試合も行われることでパ・リーグとしてファンの 期待に応えたい」と述べた。

また、豊蔵一セ・リーグ会長は「孫社長は非常によく勉強をしており、球界に 協力してくれる。新規参入2社はいずれもIT企業で新しい感覚で球団経営をして くれると思う。われわれも参考になるところは見習う」と語った。

滝鼻議長は今季の球界を振り返る形で「70年の球界の歴史で変革の年だったと 思う。出発点は球団、特にパ・リーグ、の球団経営悪化だったが、これをきっかけ に再編・統合、新規参入が進んだ」とこの1年間を締めくくった。

ソフトバンク株の終値は、前日比30円(0.6%)安の4880円。

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