UBS:トヨタなど自動車各社の目標株価下げ―「円高」リスクを考慮

UBS証券は24日、最近の円高ドル安進 行に伴い、自動車各社の目標株価を引き下げた。トヨタ自動車の目標株価を 4650円(従来は5100円)に下方修正したほか、ホンダは6200円(同6500円) に、日産自動車も1300円(同1400円)にそれぞれ引き下げた。

従来の為替相場の前提条件(1ドル=105円、1ユーロ=130円)は継続す るが、為替変動リスクを考慮し、バリュエーションを約10%切り下げて評価し た、としている。また、セクター判断もこれまでの「強気」から「中立」に引き 下げた。

「意外と底堅い」との見方も

円高進行リスクの台頭で、今後、数カ月は、自動車セクターの株価パフォー マンスは、自動車部品・TOPIXのパフォーマンスを上回る可能性が低いとみ ている。ただ、1)バリュエーションが低い、2)世界的に自動車販売が良好、 3)為替抵抗力が向上している、4)費用削減への柔軟性が高い――などの点を 考えると、セクター・ファンダメンタルズは「意外と底堅い」との見方も示して いる。

また、進行中の「円高ドル安」トレンドのなかで、自動車セクターのファン ダメンタルズに「影響」を与える3つの重要なポイントを踏まえるべきだ、とし ている。その第1点が、過去2年間、円は主要アジア通貨に対して上昇が続いて きたが、ドル安の矛盾が従来以上にアジア通貨に向けられるのであればアジア通 貨に対する円高傾向が休止する可能性に期待が持てることという。

円高ドル安が進行しても、対アジア通貨での「円」が抱える為替リスクが低 減でき、この面で収益の下支えになる可能性を見ている。

第2点として挙げている「ドルよりも対ユーロで円高が進行するリスクが中 期的にあること」はやはり懸念材料だ。日本メーカーにとって米国に次いで収益 をもたらしてくれる欧州市場。ユーロ安円高が進行していけば、為替リスクはド ル安によるそれと「Wパンチ」となって、収益を圧迫する可能性があるからだ。

内需刺激とアジアでのプレゼンス

ただ、第3点としてはこんな見通しを示している。それは「アジア・日本の 内需刺激政策が収益のチャンスを生み出す」ということだ。円高ドル安が進行し て、景気への悪影響が顕著になったり、少なくとも、年末の来年度予算編成時に かけて、景気の先行きに不透明感が出てくれば、政策当局が内需刺激策を打って くるのは自然な流れ。

このため、「円高」リスクが進行しても、アジア・日本で内需刺激策が採ら れれば、景気を下支えすることにつながり、為替による「差損分」をいくらか補 える可能性も見ている。第1から第3までの議論はまさに、プラス、マイナスの 両面を特記しているわけだ。

UBSではこのため、従来の為替影響感応度だけの議論でで投資判断を下す ことは危険だと言う。日本の自動車メーカーは、アジアから高い利益を獲得し、 収益基盤が大きく変化していると指摘。トヨタは25%、ホンダは30%、スズキ は40%もの連結収益をアジア・その他地域から稼ぎ出しており、アジア市場で 強いプレゼンスを持つ自動車メーカーに対する収益成長期待は高まるだろう、と みている。

ドル安が進行しても、先の第1と第3のシナリオが顕在化すれば、問題がな いのでは、との見方だ。

■目標株価変更は以下のとおり。
       従来    変更
 トヨタ   5100円→ 4650円
 ホンダ   6500円→ 6200円
 日産自   1400円→ 1300円
 マツダ    350円→  320円
 富士重    560円→  510円
 ヤマハ発  1550円→ 1500円
 ダイハツ   870円→  850円
 アイシン精 2820円→ 2550円
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