FRB議長:ドル需要はいずれ減退-市場が不均衡是正へ

グリーンスパン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は19日、米国は経常赤字を埋めるために国外資金を呼び込む 必要があることについて、海外投資家の対米投資意欲はいずれ限界に達し、ド ル以外の通貨に資金を分散する、もしくはより高い金利を要求することになる と予想した。

グリーンスパン議長はフランクフルトで開催された欧州の銀行業界の会合 で講演し、「米経常赤字の規模を考慮すれば、ドル投資意欲がいずれ減退する のは避けられない」と語った。さらに、「海外投資家はいずれドル資産の積み 上がりを調整する、あるいは米国に投資を集中させるリスクを相殺するために、 より高い投資利益を求めることになる。この結果、米国の経常赤字を埋めるコ ストは押し上げられ、ますます維持が難しくなる」と述べた。

グリーンスパン議長はそのうえで、こうした調整は金融市場で吸収される可 能性が高く、経済に重い負担を強いることにはならないとするこれまでの見解を あらためて示した。議長は「危機的状況を招くことなく、市場の力によっていず れ持続可能な経常収支を回復することになろう」と指摘した。その上で、議長は 「自己満足してはならない」と付け加えた。

「コインの裏表」

ニューヨーク外為市場ではドルが対円で下落。EBSによると現地時間午前9 時18分現在、1ドル=103円23銭で推移。一時は103円17銭まで下げ、2000年 4月以来の安値を付けた。前日遅くは同104円18銭だった。ドルは対ユーロでも 下落し、1ユーロ=1.3027ドル。前日遅くは同1.2961ドルだった。この2週間、 ドルは対ユーロで5度、過去最高値を更新している。

グリーンスパン議長は外為市場について、規模が大きいため、これまで中央銀 行の介入が通貨価値に与える影響は「弱かった」と述べた。

グリーンスパン議長はこうした状況がドルの水準にどのような意味合いを与 えるか予想するのは困難だとし、「為替レートの予想は、コインの裏表のいずれ が出るかを占うより難しい」と語った。

双子の赤字

講演テキストによると、グリーンスパン議長は米金利の方向性や経済成長率 には言及していない。

第2四半期の米経常赤字は過去最大の1662億ドルに膨らんだ。グリーンス パン議長は米通商調整へのカギとして、米国の貯蓄率向上を促進する政策を挙げ た。

議長は「財政赤字を削減(できることなら黒字に転換)することは、国内貯 蓄を拡大させる最も効果的な措置と考えられる」と述べ、「個人の貯蓄率は現在、 異常に低い水準にあり、これを引き上げる政策を策定するなど、民間部門の貯蓄 を大幅に拡大させることも当然ながら有益だ」と語った。

講演後の質疑応答では、金利上昇に対してエマージングマーケット(新興市 場)の準備が整っているか、との質問に対し、「金利上昇はこれまでずいぶんと長 期におよび、様々な場において広く語られてきたため、この時点までにポジション を適切にヘッジしていない投資家がいるとすれば、それは自ら望んで損失を被ろう としている行為だ」と回答した。

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