米メルク:「ビオックス」のリスクを4年前から把握―英ランセット誌

英医学誌ランセット・メディカル・ジャーナル 最新号は、米製薬大手メルクは同社の鎮痛剤「ビオックス」の心臓血管に対するリス クを各種研究結果などから自主回収する4年前に把握しており、その時点で回収すべ きだったとの分析を掲載した。

同社はビオックスを1年6カ月以上服用した場合に心臓発作のリスクが2倍に 高まることが研究結果で示されたとして、9月30日に同薬の回収を発表していた。 スイスのベルン大学での研究によると、同レベルの心臓発作リスクは2000年末まで に既に明白で、1年6カ月未満の服用でもリスクがあったとしている。

分析論文の著者の一人、マティアス・エッガー同大教授はインタビューで、 「2000年末時点で鎮痛剤が回収されるかどうかの議論を始めるのに必要な十分な証 拠があった」と指摘した。

ビオックスの医薬品回収は、売上高ベースで過去最大規模。メルクは回収を発 表した際に、同薬と心臓発作の関連は予想できなかったと説明していた。

ランセットの分析について同社は「メレクはビオックスの心臓血管への安全性 を監視・開示することに積極的に取り組んでおり、正反対のことを示唆する論文内容 には全く同意できない」と指摘。さらに「ランセットが掲載した分析データが数年早 いビオックスの回収必要性を示すという見方にも同意しかねる」と述べた。

1997-2001年に患者2万人を対象に実施された研究をランセット誌が分析し たところによると、ビオックスの副作用は2000年末には「偶然ではなく見つかるほ ど明確なもの」だったという。同研究では心臓発作を起こした52人の患者のうち、 ビオックスを服用していた患者の発作発症リスクはほかの鎮痛剤を服用していた患者 に比べて2倍だったという。

ビオックスの昨年の売上高は25億ドルで、メルク全体の売上高の11%を占め ていた。同社の株は回収日の前日である9月29日から40%下落している。

--共同取材:ワシントン Kerry Dooley Editors: Eiser, Todd

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