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NTT:年度内に1900億円調達、社債や借入-負債減で信用向上目指す

国内通信最大手のNTTは、今年度内に1900 億円の長期資金を確保する計画だ。すでに実施したユーロ円建て社債の発行を 含めた合計の調達額は、昨年度実績を2割弱上回る。子会社のNTT東西地域 会社やNTTコミュニケーションズへの貸付金を、社債発行や借り入れで確保 する。

「社債投資家説明会」で26日、2004年度(2005年3月期)の資金調達計 画を明らかにした。今年度の長期資金は「2600億円の確保を見込んでおり、680 億円のユーロ円債を除いた約1900億円を年度内に調達する」(岡田顕彦・NT T第四部門資金部長)。昨年度の長期資金調達の実績は2212億円で、ほぼ全額 を借り入れで賄った。

資金調達の方法については、社債といった資本市場からの直接金融と借り 入れをはじめとする間接金融の組み合わせで今後決定する。昨年3月に第47回 普通社債(SB)を発行して以来、国内債の発行は途絶えている。このため、 起債市場の環境が整えば、SB発行を再開する意向だ。

岡田部長は、債券相場の値動きが荒いため国内での起債がなかったと前置 きしたうえで「このブランク解消は財務運営上の重要な課題」と強調した。ユ ーロ円債については6月9日発行で7年債を5億ユーロ(約680億円)発行し た。99年5月以来ほぼ5年ぶりの外債起債になった。

国内債の1回の発行額としては市場での流動性が確保できる500億円を最 低水準として、需給に応じて決める。長期資金確保は昨年度に、その前の年度 に比べて66%減と大幅に圧縮していた。リストラ効果が出てきたことで資金計 画では有利子負債の削減を優先させていた。長期資金は2002年度に6500億円、 2001年度には1兆2000億円を調達していた。

負債削減も継続

有利子負債の削減は引き続き継続する。前年度末に5兆9000億円あった有 利子負債は今年度末に5兆7000億円を切る水準まで減らす。有利子負債の水準 は中期計画で来年度(2006年3月期)に5兆7000億円という目標を掲げていた が、1年前倒しで達成できる見通し。

これに伴い負債比率(株主資本と有利子負債の合計に占める有利子負債の 比率)も前年度末48.1%を今年度は下回る見通し。NTTは今年度に政府保有 株を買い取ることなどから自己株取得を最大で6000億円、100万株(いずれも 上限)実施する。この自己株取得を実行したとしても負債比率は48%を上回る ことはないとしている。

負債については未払退職年金費用も削減する。現役社員への年金支給の予 定利率を前年度に引き下げたうえ、今後はOBへも予定利率引き下げの対象を 広げる。

債券相場(長期金利)については、長期の上昇トレンドに入ったと判断し ているが、一本調子で金利が上がり続けるとは予想していない。NTTは金利 が落ち着いたところを見計らって起債を再開する。同時に有利子負債の削減も 継続することで「長い眼でみた信用力向上を目指していく」(岡田部長)方針だ。

NTTの株価終値は、前日比3万2000円(5.7%)安の52万7000円。

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