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国内石油製品:需給緩和観測でガソリンに下げ圧力-海外灯油は反発

国内石油製品市場では、業者間の現物ガソリ ン相場が下げている。製油所が定期修理明けとともに徐々に稼働を再開してお り、短期的に需給ひっ迫感が後退しているためだ。

ただ原油相場がイラク情勢の混乱などを受けて反発しているほか、アジア の需要が堅調との見方を背景にシンガポール市場ではジェットケロシン(灯油 と同成分)、ガスオイル(軽油)中心に相場が急回復している。海外と比べた国 内の割高感が徐々に薄れていることから、製品価格の下値は限定されそうだ。

ガソリンの現物価格(京浜地区のリム価格、税金5万3800円を除く)は、 6日時点で1キロリットル当たり3万8950円となり、6月高値比では16%安い。 灯油は10%安、軽油はほぼ変わらず。

ガソリンは需要が堅調なうえに、製油所の定期修理が重なったことで品不 足感が強まり、税込み価格が一時、10万円台を記録した。ただ6月の原油価格 が下落したうえに、製油所の稼働率も徐々に上昇しているため、ここにきて「需 給が緩むとの期待感が先行している」(兼松・エネルギー部の菅栄治部長)とい う。シンガポール価格と比べた割高感などから、4万5000円台のガソリン価格 には「やや高過ぎる」(新日本石油の津田直和常務)との声が出ていたことも、 国内現物価格の下げにつながったとみられる。

石油連盟が7日発表した3日時点の設備稼働率は80.0%。5月22日(第3 週)の稼働率は65.6%まで低下した。

海外と比べた割高感-ガソリンに下げ圧力

ブルームバーグ・データに基づく単純換算によると、6日時点の国内ガソ リン業者間現物価格(ガソリン税を除く)は、シンガポール市場のガソリン価 格(オクタン価92、FOB)に比べて、1キロリットル当たり9180円高い。

両者間の価格差は、6月第2-4週には1万5000円強まで拡大。新日石の 津田常務は6月28日の時点で、こうした状況を踏まえ「海外産のほうが安いた め、これを購入して再処理している」ことを明らかにした。同社はガソリン原 料を6月に5万キロリットル輸入し、7月も2万キロリットルをシンガポール と韓国から輸入することを決めている。

ガソリン中心に現物価格が下げている一方、原油が反発しているため、国 内製油所のマージンは低下傾向に転じている。ブルームバーグ・データによる と、7石油製品価格(京浜地区のリム価格など)とドバイ原油価格から算出し た製油所マージンの概算値は、6日時点で原油1キロリットル当たり7054円。 6月はおおむね9000円-1万円の高水準で推移していたが、7月入りとともに 低下している。このマージンには、石油石炭税など2税金(2255円)が含まれ ている。

灯油中心に内外価格差が縮小傾向

国内ではガソリンの下げが目立つものの、原油相場はイラクのパイプライ ン爆破テロなどを背景に急反発。これに追随する形でシンガポールのジェット ケロシンとガスオイル価格は5月高値に接近している。

兼松の菅部長は、ベトナムなどが石油製品を輸入に依存しているうえに、 中国の製油所はほぼフル稼働の状態で「原油でなく、製品を買う必要がある」 ため、海外製品は強基調と指摘。さらに、この傾向が続くようだと国内からの 製品輸出が促される可能性があり「国内在庫は低いまま、在庫が積み上がらな い恐れもある」(菅部長)と警戒している。こうした中期的な需給ひっ迫観測は、 国内製品相場の下支え要因になりそうだ。

国内石油3製品とシンガポールとの現物価格差は、ここにきて縮小し始め ている。なかでも国内灯油価格は、海外のジェットケロシンに比べて一時6000 円も高い場面があったが、6日時点では一転して963円安くなった。これは5 月25日以来(国内が1354円安かった)となる。

経済産業省の石油需給統計によると、5月末の燃料油在庫は前年同月比

15.3%減の1110万キロリットル。ガソリンは11.5%、灯油は29.1%、軽油は

17.7%それぞれ低い。

新日本石油の株価は前日比3円(0.5%)高の676円、昭和シェル石油は同 23円(2.3%)安の988円(午後1時26分現在)。

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