6月の商品指数は反落、企業物価は続伸-非鉄が下落、石油製品は上昇

6月の国内商品指数は、銅など非鉄金属の 下落を受けて反落基調となっている。ただニッケルをはじめ一部金属は回復傾 向を示しているほか、5月までのナフサ価格高騰がこれからコスト面で反映さ れるため、産業界では原料高に対する警戒感が根強い。6月の石油製品に続き、 7月も石化製品の値上げが相次いで打ち出されており、企業物価には上昇圧力 が残りそうだ。

日経商品指数(17種)は29日時点で103.82ポイントとなり、5月末時点 と比べると1.14ポイント低下した。H形鋼など鉄鋼製品は横ばいだったが、銅 と亜鉛、すずの価格が下がった。一方、CRB(コモディティー・リサーチ・ ビューロー)指数は29日時点で267.29ポイントとなり、5月末比で9.96ポイ ント低下した。

日本銀行が10日発表した5月の国内企業物価指数は、前年同月比で1.1% の上昇。3カ月連続で上昇するとともに、97年10月(同1.1%上昇)以来の伸 びを記録した。内訳は鉄鋼、非鉄金属、スクラップ類、農林水産物など。なお 前月比では0.1%の上昇だった。

企業物価の上昇圧力続く

日本鉄鋼連盟の三村明夫会長(新日本製鉄社長)は22日の定例記者会見で、 足元の鉄スクラップ価格や海上運賃が高値から大幅に反落していることを歓迎 しながらも、一方でニッケルやバナジウム、クロム価格は上昇していると指摘。 「全体としては、大勢を動かす状況ではない。われわれの対応は従来と同じ」と 述べ、コスト転嫁に引き続き注力する方針を示した。

住友信託銀行・調査部の花田普エコノミストは最新リポートのなかで、長 期金利が上昇している要因として、日本経済の高成長率、米国の早期利上げ観 測とともに、企業物価の上昇加速を挙げている。

物価指数については、商品市況など外的要因だけでなく、好調な設備投資 を反映する形で「国内の需要増加も企業物価を押し上げ始めた」と分析する半 面、企業側はパートタイム雇用の増加を図っており、所得改善ペースは遅いと いう。このため賃金が完全に下げ止まるまでは消費者が値上げを受け入れる余 地は小さく「企業物価上昇分を消費者物価に転嫁する動きはかなり限定される」 とみている。

6月は石油製品、7月は石化製品の値上げ相次ぐ

6月の値上げ動向を見ると、新日本石油など石油各社が原油高騰を受けて、 製品価格を軒並み1リットル当たり3.7円-4円引き上げた。またタイヤ大手 ブリヂストンが国内タイヤを従来比5-6%、住友化学は接着剤原料を同10%、 住友ベークライトは電子部品材料のエポキシ樹脂をキロ当たり20円値上げする ことを打ち出した。

7月の値上げで目立つのは石化製品。出光石油化学と日本ポリエチレンは、 プラスチックになるポリエチレン樹脂をキロ当たり15円、PSジャパンはポリ スチレン樹脂を同6-10円引き上げると発表した。出光石化は耐久性の強いポ リカーボネート樹脂を同25円以上、住友ダウも同製品を20円、電気化学工業 は接着剤などに使う酢酸ビニルモノマーを同10円それぞれ値上げする方針。日 立化成工業は、銅箔や樹脂価格の上昇を踏まえ、電子部品材料の銅張積層板を 従来比18%引き上げる。

大同特殊鋼は、工具鋼価格を従来比10-15%引き上げると発表した。原料 となるモリブデン、バナジウム、タングステン価格が4月以降に急騰したため で、日立金属も同様に工具鋼を10-15%値上げする。

石化各社は価格引き上げの理由として、原料であるナフサ価格の高騰を挙 げており、自助努力では吸収しきれないと訴えている。出光石油化学によると、 現在の樹脂価格は、国産ナフサ価格がキロリットル当たり2万6000円時の水準 に相当する一方、4-6月期のナフサ価格は2万9000円-3万円に達するとい う。さらに5月までの相場高がこれからコストとして反映され、7-9月期の ナフサ価格は3万3000円が予想されているとして、値上げへの理解を求めてい る。

--共同取材、日高正裕 Editor:Abe

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