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総会集中日:全国で1680社開催-三菱自など株主から厳しい意見(3)

企業経営者と株主が直接、顔を合わせる年1 回の場である株主総会が29日、開催の集中日を迎えた。警察庁によると全国で約 1680社の企業がいっせいに総会を開催した。個人投資家や機関投資家が総会で 「物言う」傾向が強まっており、こうした投資家の声に企業も影響を受け始めて いる。この日は三菱自動車、カネボウ、近畿日本鉄道などをはじめとする企業の 総会が全国で開かれた。

リコール(無料の回収・修理)隠しが相次ぎ発覚した三菱自動車は、港区の 本社ビルで午前10時から総会を開催した。株主に不祥事を陳謝した岡﨑洋一郎会 長は「コンプライアンス(法令順守)、顧客、安全を第一としている自動車会社に 生まれ変わりたい。もう一度チャンスをいただきたい」と強調、再生に向けての 決意を株主に表明した。

株主からは、首脳陣は全財産と全生命をかけて経営にあたってもらいたいな ど厳しい意見が示された。総会では総額5460億円の増資を骨格とした新再建計画 などが承認された。すでに発表している現預金の取り崩しなどによる5500億円を 加えると、事業再生原資は1兆960億円の規模となる。

三菱自を支援する三菱グループの1社、三菱東京フィナンシャル・グループ もこの日、総会を開いた。株主からは三菱自関連の質問が多く、三木繁光社長ら は「再生の可能性・妥当性を検討し、再生可能とみている」などと答え、支援に 理解を求めた。

カネボウ、武富士、近畿日本鉄道

産業再生機構の支援を受けて再建を目指し、化粧品事業を切り離したカネボ ウもこの日、総会を開催した。中嶋章義社長は「過去を断ち切り、難題を一つ一 つ打ち破って前進し、企業価値を上げることで株主に報いたい」と述べ、経営再 建への意欲をみせた。株主からは再建計画に伴う減資など財務リストラに質問が 集中、中嶋社長らはこれらについて株主に理解を求めた。

創業者の武井保雄元会長が電気通信事業法違反(電話盗聴)で逮捕された武 富士も株主総会を開催した。会場では清川昭社長が株主に対して一連の不祥事に ついて陳謝した。また、この場で白倉政善取締役が、創業者一族が持ち株比率(4 月末で約67%)を約59%までに減らしたことを明かした。

元会長らによる盗聴事件への関与で、創業者の持ち株を大幅に減らさないと 「貸金業登録」が取り消されるおそれがあり、これに対応する。

傘下のプロ野球球団、大阪近鉄バッファローズが経営不振からオリックス・ ブルーウェーブと合併することで基本合意している近畿日本鉄道も、本社がある 大阪市内のホテルで株主総会を開催した。出席者は2053人(去年は1484人)と 過去最高に達し、株主の興味の強さをうかがわせた。所要時間は2時間28分(2 時間34分)だった。

会場では赤字の球団経営について株主から、ぬるま湯につかったような経営 はやめてほしい、とった厳しい質問が出た。また、読売新聞(電子版)によると、 合併相手の前身の親会社が阪急であることから、「宿敵との統合とは何ごと」とい う意見も飛び出した。オリックスはすでに23日に株主総会を終えている。

松下電産、パイオニア、フジテレビジョン

松下電器産業も大阪の本社で株主総会を開催した。会場では株主から「業績 が改善しているにもかかわらず、株価がなかなか2000円にならないのはなぜか」、 「好決算が株価に反映されていない原因をどう考えるか」といった株価について の質問が出た。

これに対して中村邦夫社長は「現在の株価について、とても満足できる状態 とは思っていない」と述べ、株価を上げるために収益力を向上させることを強調 した。また「配当政策も見直したいと考えている」と語り、増配も検討している ことを示唆した。

パイオニアも定時株主総会を開催。伊藤周男社長は株価の適正水準を株主に 問われ「個人的にはもっと高くしたい」と述べ、業績改善が必要との認識を示し た。具体的な目標株価については、市場が決めることだと述べるにとどめた。

フジテレビジョンの総会には711人の株主が出席(昨年は324人)した。1 月に18万株の公募増資を発表した後の総会で、昨年に比べて大幅に増加した。株 主からは株価や株主優待についての質問や「幼児向け番組を作ってほしい」とい った要望などがあった。

NTT、ボーダフォンHD

NTTは新高輪プリンスホテルで総会を開催した。会場では株主から株価水 準についての質問が出た。これに対して宮村智常務は、株価は中長期的には収益 動向に沿うと前置きしたうえで「収益安定への努力のほか自社株買い、増配や四 半期決算の開示といった株主重視の経営を進める」と強調した。

総会では総額6000億円の自己株式取得枠を承認した。財務省が政府保有分の NTT株売却を再開する意向を示しており、NTTとしても需給関係を悪化させ ることを防ぐため、昨年に比べて枠を6倍に広げた。

ボーダフォンホールディングス(HD)もこの日、株主総会を開催した。ボ ーダフォンHDは親会社英ボーダフォンが株式公開買い付け(TOB)で出資比 率を96%にまで高め、来春以降に上場廃止になる見込み。会場では株主から「昨 年12月の臨時株主総会では上場廃止の予定はないという趣旨の回答があったが どうしてか」といった質問が出た。

これに対して会社側は、ボーダフォングループの完全子会社になることで相 乗効果が期待でき、株主の利益にもなるなどと答えた。

この日はほかに大林組、清水建設、花王、三共、武田薬品工業、三菱電機、 ファナック、任天堂、三井住友フィナンシャルグループ、ミレアホールディング ス、三井不動産、三菱地所、東京ガスなどが全国で総会を開催した。

--共同取材 鈴木恭子、稲留正英、桑子かつ代 Editor :Murotani

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