訂正:製油所マージン:製品価格回復で4月高値に接近-価格に疑問も

原油高騰を背景に国内石油会社が値上げ姿 勢を継続するなか、石油製品の業者間スポット価格はガソリン中心に続伸。こ のため製油所のマージン(製品価格と原油との価格差)は一時、4月高値に接 近するなど、回復傾向を示している。ただ市場関係者の間からは、製品スポッ ト価格が現物不足のなかで押し上げられているとして、価格の信頼性、石油会 社の収益効果について慎重に見るべきとの声も聞かれる。

ガソリンの現物価格(京浜地区のリム価格)は、6月2日時点で1キロリ ットル当たり4万5500円となり、4月末比では27%も急伸。不需要期の灯油 も5月に急回復し、昨年3月以来の3万4000円台を付けている。製油所の定 期修理が集中している局面に原油高騰が重なった結果、ガソリン在庫は需要期 に向けた積み増しの時期を迎えているにもかかわらず減少しており、こうした 環境が製品価格の上昇を後押ししたとみられている。

伊藤忠エネクス供給部企画チームの今野卓也担当課長は、「品繰りがきつ い」うえ、6月の値上げをにらんだ仮需要の発生が相場を押し上げたと分析。 新日本石油の津田直和常務も27日の会見で、製品需給は非常に厳しいとの認 識を示すとともに、灯油や軽油などについて「市中には現物が出ていない」と 語っている。

石油連盟の週間需給統計によると、5月第4週の石油製品在庫は前週比54 万キロリットル減の1029万キロリットル。ジェット燃料を除いて軒並み減少 し、ガソリン在庫は同11万減の211万キロリットル。製油所稼働率は67.6% にとどまった。

製油所マージンは改善-スポット価格の信頼性

ブルームバーグ・データによると、7石油製品価格(京浜地区のリム価格 など)とドバイ原油価格から算出した製油所マージンの概算値は、2日時点で 原油1キロリットル当たり5792円。マージンは5月14日に1500円前後まで 落ち込んでいたが、5月末には6000円台半ばまで急回復、4月初めの高値 (7037円)に接近する場面もあった。

石油会社にとって、マージン改善は収益面でプラス要因。ただ現在のスポ ット現物価格については、供給が細っているだけに「市場としての実態に乏し い」(伊藤忠エネクスの今野課長)として、疑問の声もある。みずほインベス ターズ 証券調査部の河内宏文シニアアナリストも、計算上のマージンは改善 しているものの、スポット価格の信頼性にはやや疑問があると指摘、「石油会 社の利益には貢献しない可能性もある。実際の利益確保につながるか、検証が 必要」(河内アナリスト)とみている。

新日本石油の株価は前日比23円(3.6%)安の617円、東燃ゼネラル石油 は同13円(1.4%)安の931円(午後1時52分現在)。

製油所の限界マージンの概算値
             6月2日時点 5月14日時点 
原油・7石油製品     5792円   1569円  
原油・3石油製品     4775円   1658円 
先物ベースのマージン(3日午前終値)
先物・7月限ベース    4874円   2779円 
先物・11月限ベース    3445円   3156円

マージンには石油石炭税、製油所操業費用などを含む。現物価格をベースにし たマージン算出では、石油連盟の週間石油統計値を利用(直近データの過去5 週平均)しているため、14日時点のマージン数値を変更しています。先物ベー スは、前年同月の統計値を適用。

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